昔、デパ地下のショップでアルバイトをしていた。まだ新設したての店舗だったため、主に大学生が在籍する店舗だった。 そこで私は佐々木さん(仮名)というひとつ年下の大学生とよく話すようになる。私が「一人暮らしだから家に帰ってもご飯がない、今月はかなりピンチだ、しばらく小麦粉と水で生き延びなければならない…」なんて冗談を言うと、「何か私の家から食料を持ってきましょうか?」と間に受けたり(もちろん貰っていない)、かと思えばお互い苦手な従業員の悪口をこっそりと言い合ったり。 佐々木さんとは好きなユーチューバーが同じで、その話をしたこともあった。少々下品な企画も多いグループだったため、穏やかな佐々木さんが好んでいるというのは意外だった。佐々木さんは遅番の時間に帰ると、夕飯が用意されていない日もあるだとか、また帰宅する時間は既に家族が寝ているからドライヤーが使えないため髪を乾かさずに寝ているなんて話も聞い