洞爺湖サミットのテーマには、いろいろな項目があるが、中心は明らかに地球温暖化で、他のテーマには具体的な政策も挙げられていない。「開発・アフリカ」という項目では、「2015年までのミレニアム開発目標達成に向けたメッセージを出す」という意味不明な言葉があるだけだ。 著者はEasterlyと同様、こうしたバラマキ型の援助にはほとんど効果がないという。問題は、第三世界の50億人に広く薄く資金を出すことではなく、彼が「最底辺の10億人」とよぶ最貧国(アフリカだけではない)にターゲットを絞ることだ。彼らが他の国と違うのは、一人あたり所得が減少し、「発展途上」でさえないことだ。 その原因として著者は、民族紛争やガバナンスの悪さの他に、「天然資源の罠」(天然資源を輸出すると為替レートが上がって製品輸出ができなくなる)や「内陸国の罠」(貧しい国に囲まれた内陸国は貧しくなる)など貿易の効果をあげる。「反グ