イップスは局所性ジストニア、つまり、脳の病気なのではないかとする説がある。東京女子医科大学の平孝臣医師は2000年1月に初めて局所性ジストニアの患者を手術してからというもの、これまで700件から800件、オペを施してきたという。平医師のオペは独特で、脳内の一部に電流を流した針を刺し、それによって従来のスムーズな動きを取り戻させるというものだ。同手術の技術を持っている医師は全国でもごくわずか。平医師は、その第一人者といっていい。そんな脳医学のスペシャリストに、イップスは局所性ジストニアであるか否かを聞いた。 ★前回を読む。 ★最初から読む。 平医師(中央)――まず、局所性ジストニアと、いわゆるジストニアの違いを教えてください。 平 ジストニアは、局所性と区別するためにも、全身性ジストニアと呼ばれることがあります。全身性ジストニアは1900年代はじめから脳疾患として知られており、ジストニアとい
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