金門島の歴史的経験を題材に離島防衛のあり方を論じた「中国の侵攻を撥ねつけてきた台湾の小さな島 金門島に学ぶ国境離島を防衛する方法」(7月25日)に引き続き、今回も抑止と防衛にかかわるトピックを取り上げたい。7月末に米国が公式に断定した、ロシアの中距離核戦力(INF: Intermediate-range Nuclear Forces)全廃条約(以下、INF条約)への違反を巡る戦略論争についてである。 「ニューヨーク・タイムズ」(NYT)紙の報道によれば、オバマ政権は7月28日、ロシアがINF条約に違反する地上発射型巡航ミサイルの試験を行っていると断定した。オバマ政権はその事実を翌日公表した国務省の報告書で明らかにするとともに、プーチン大統領に書簡を送り、米ロ間の協議開催を要請した。オバマ政権は2008年1月、ロシアのINF条約違反について、NATOをはじめとする同盟国への通告を行っていた。
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