食物に含まれる炭水化物、脂肪、蛋白質は、3大栄養素と呼ばれています。これらの栄養素は、体内での役割が異なるため、我々は食物を食べ分けることによって、これらの栄養素を必要に応じて食物から摂取します。しかし、動物が、どのようなメカニズムによって食物を選択し、摂取するかはほとんど分かっていません。 今回、自然科学研究機構生理学研究所の箕越靖彦教授と琉球⼤学第⼆内科(内分泌代謝・⾎液・膠原病内科学講座)の岡本士毅特命講師(元生理学研究所)は、「脂肪と炭水化物の食べ分け」を決定する神経細胞をマウスで発見しました。マウスは、脂肪を多く含む食物(脂肪食)を好んで摂食します。しかし、この神経細胞が活性化すると、脂肪よりも炭水化物を多く含む食物(炭水化物食)を摂取します。この神経細胞は、本能を司る古い脳「視床下部」に存在しており、絶食によって活性化し、炭水化物の摂食を促進します。その結果、絶食によって変化し