タグ

ブックマーク / www.nips.ac.jp (12)

  • 脂肪と炭水化物の食べ分けを決める神経細胞を発見 --食物嗜好性を決定する脳内機構の解明に期待--

    物に含まれる炭水化物、脂肪、蛋白質は、3大栄養素と呼ばれています。これらの栄養素は、体内での役割が異なるため、我々は物をべ分けることによって、これらの栄養素を必要に応じて物から摂取します。しかし、動物が、どのようなメカニズムによって物を選択し、摂取するかはほとんど分かっていません。 今回、自然科学研究機構生理学研究所の箕越靖彦教授と琉球⼤学第⼆内科(内分泌代謝・⾎液・膠原病内科学講座)の岡士毅特命講師(元生理学研究所)は、「脂肪と炭水化物のべ分け」を決定する神経細胞をマウスで発見しました。マウスは、脂肪を多く含む物(脂肪)を好んで摂します。しかし、この神経細胞が活性化すると、脂肪よりも炭水化物を多く含む物(炭水化物)を摂取します。この神経細胞は、能を司る古い脳「視床下部」に存在しており、絶によって活性化し、炭水化物の摂を促進します。その結果、絶によって変化し

    脂肪と炭水化物の食べ分けを決める神経細胞を発見 --食物嗜好性を決定する脳内機構の解明に期待--
  • 柔軟な行動選択を行う脳内メカニズムの発見 -目標行動を抑制する脳領域機能の一端を解明-

    このたび、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の田中謙二准教授、三村將教授、公益財団法人東京都医学総合研究所の夏堀晃世主席研究員、大学共同利用機関法人自然科学研究機構 生理学研究所の小林憲太准教授らの共同研究グループは、マウスを用いた実験で、目標に向かって行動を開始するためには、腹側線条体(注1)と呼ばれる脳領域の外側部位に存在する「やる気ニューロン」の活動増加に加え、内側部位に存在する「移り気ニューロン」の活動低下が必要であることを見出しました。 研究グループでは、これまでの研究で、マウスを用いた実験により、意欲障害となる脳内の部位を特定し、「やる気スイッチ」の存在を発見しています。また、目標に向かって行動する時には、腹側線条体と呼ばれる脳領域のうち外側部位に存在する神経細胞(やる気ニューロン)を活動させることが必要であり、この「やる気ニューロン」の機能異常によって、行動の開始が障害され

    柔軟な行動選択を行う脳内メカニズムの発見 -目標行動を抑制する脳領域機能の一端を解明-
  • リハビリテーションは脳の配線を変え、機能の回復を導く ―脳卒中後の麻痺肢の集中使用による運動野-赤核路の増強は、運動機能の回復と因果関係を有する―

    リハビリテーションは脳の配線を変え、機能の回復を導く ―脳卒中後の麻痺肢の集中使用による運動野-赤核路の増強は、運動機能の回復と因果関係を有する― 脳卒中後のリハビリテーションは運動機能の回復にとって重要です。これまでに、脳卒中後に集中的にリハビリテーションを行うことで、神経細胞の突起の伸びが良くなる事などが報告されていました。しかし、リハビリテーションによる神経回路の変化と運動機能の回復との間に因果関係があるかに関しては解明されていませんでした。 今回、自然科学研究機構 生理学研究所の伊佐正教授と名古屋市立大学大学院医学系研究科の飛田秀樹教授および石田章真助教を中心とする共同研究チームは、脳出血を生じさせたラットに集中的なリハビリテーションを実施させる事で、運動機能を司る大脳皮質の「運動野」*用語1から進化的に古い部位である脳幹の「赤核」*用語2へと伸びる軸索が増加し、この神経回路の強化

    リハビリテーションは脳の配線を変え、機能の回復を導く ―脳卒中後の麻痺肢の集中使用による運動野-赤核路の増強は、運動機能の回復と因果関係を有する―
  • 温度感受性チャネル(TRPM3チャネル)の新たな機能特性を解明

    イオンチャネルは主に細胞膜に存在するタンパク質で、さまざまな刺激などに応じて開き、イオンを透過させることで細胞の興奮性を調節しています。イオンチャネルの解析には、一般的に生体から取り出した細胞を用いる方法や、培養した細胞に目的のイオンチャネルを強制的に発現させる方法がよく用いられています。しかしこれらの方法では、イオンチャネルそのものの機能を詳細に捉えることが難しいのが現状です。そこで今回、自然科学研究機構 生理学研究所の富永 真琴 教授および内田 邦敏 助教は、イリノイ大学Eleonora Zakharian(エレオノラ・ザッカリアン)先生との国際共同研究により、人工的に調製した脂質二重膜、イオンチャネルタンパク質、イオン(電解質)、水のみで構成されたシンプルな実験装置である「人工再構成系*用語1」を用い、温度感受性に関わるTRPM3チャネル*用語2の詳細な解析に成功しました。 研究結

    温度感受性チャネル(TRPM3チャネル)の新たな機能特性を解明
  • みつめあった「記憶」は、二者間の脳活動の同期として痕跡を残す − 二者同時記録fMRIを用いた注意共有の神経基盤の研究 −

    みつめあった「記憶」は、二者間の脳活動の同期として痕跡を残す − 二者同時記録fMRIを用いた注意共有の神経基盤の研究 − お互いがみつめあい、お互いへ注意を向け合う状態は、ヒトが他者と複雑なコミュニケーションをおこなう前に必須な準備段階と言えます。この状態は、子供から成人へ成長する中で自然と獲得されます。このことから、互いに注意を向け合うことは、ヒトが他者とコミュニケーションをとる上での礎であると考えられます。しかしこれまでの研究では、ヒトが他者とみつめあっている際、我々自身にどのような現象が起こっているのか、さらには我々の脳内で一体何が起こっているのか、詳細は明らかにされていませんでした。今回、自然科学研究機構 生理学研究所 定藤 規弘教授と小池 耕彦特任助教、名古屋大学 田邊宏樹教授らの研究グループは、二者がコミュニケーションをとっている際の脳活動を同時に記録可能な特殊な機能的磁気共

    みつめあった「記憶」は、二者間の脳活動の同期として痕跡を残す − 二者同時記録fMRIを用いた注意共有の神経基盤の研究 −
    frothmouth
    frothmouth 2015/11/20
    “みつめあった「記憶」は、二者間の脳活動の同期として痕跡を残す − 二者同時記録fMRIを用いた注意共有の神経基盤の研究 −”
  • 他者からもたらされる情報を統合する脳内部位を特定 − 他者の感情を推測する脳内神経機構の解明へ向け一歩前進 −

    他者の感情を推測する能力は、社会を形成し、他者と共生をしていく上で大切な能力と言えます。他者が自分へ向ける感情を可能な限り正しく理解するため、我々は顔の表情や身振りなどといった、相手の様々な外的情報を統合し、判断・推測を行っています。このように他者の様々な情報をまとめ、他者の感情を推測する一連の認知判断処理活動は、脳のどの部位の働きによってもたらされるのか、その詳細は殆どわかっていません。今回、生理学研究所の高橋陽香(総合研究大学院大学院生(当時))、北田亮助教、定藤規弘教授の研究グループは、他者が「悲しんでいる」と推測される状況に焦点を当て、顔の表情と流れる涙の描写から得られる悲しみの情報を脳内で統合し、推測に至る過程の脳活動を、機能的磁気共鳴画像法(functional Magnetic Resonance Image:fMRI)(用語1)を用いて計測しました。結果、他者が悲しんでいる

    他者からもたらされる情報を統合する脳内部位を特定 − 他者の感情を推測する脳内神経機構の解明へ向け一歩前進 −
    frothmouth
    frothmouth 2015/11/06
    “他者からもたらされる情報を統合する脳内部位を特定 − 他者の感情を推測する脳内神経機構の解明へ向け一歩前進”
  • ドーパミン神経伝達は、大脳基底核における運動情報伝達と、運動発現に不可欠 -ドーパミンD1受容体を介する情報伝達の消失が、パーキンソン病の「無動」を引き起す-

    ドーパミン神経伝達は、大脳基底核における運動情報伝達と、運動発現に不可欠 -ドーパミンD1受容体を介する情報伝達の消失が、パーキンソン病の「無動」を引き起す- 脳の大脳基底核にあるドーパミンが減ると、パーキンソン病に見られるように手足が動かしにくい(無動)など、重篤な運動障害が生じることが知られています。ドーパミンは主に、大脳基底核の線条体の神経細胞が持つ、D1とD2といった、異なる機能を持つ受容体にそれぞれ結合することによって働きます。しかし、これらの受容体を介する情報伝達が、大脳基底核内の信号伝達をどのように調節するのか、運動をコントロールする際にどのように働くのか、詳しくわかっていませんでした。 今回、自然科学研究機構 生理学研究所の知見聡美助教と南部篤教授、新潟大学脳研究所の笹岡俊邦教授、北里大学の佐藤朝子研究員らの共同研究チームは、ドーパミンD1受容体を介する情報伝達は、運動を誘

    ドーパミン神経伝達は、大脳基底核における運動情報伝達と、運動発現に不可欠 -ドーパミンD1受容体を介する情報伝達の消失が、パーキンソン病の「無動」を引き起す-
    frothmouth
    frothmouth 2015/10/11
    “共同研究チームは、ドーパミンD1受容体を介する情報伝達は、運動を誘発するように働く「直接路」を通る情報の伝達に不可欠であり、D1受容体を介する情報伝達が消失すると、運動を起こしにくくなることを明らかにし
  • "やる気や頑張り"がリハビリテーションによる運動機能回復に 大切であることを脳科学的に証明

    脊髄損傷や脳梗塞の患者のリハビリテーションでは、意欲を高くもつと回復効果が高いことが、これまで臨床の現場で経験的に知られていました。それとは逆に、脳卒中や脊髄損傷後にうつ症状を発症するとリハビリテーションに支障が出て、運動機能回復を遅らせるということも知られています。しかし、実際に脳科学的に、“やる気や頑張り”といった心の状態が、運動機能回復にどのように結び付いているのかは解明されていませんでした。 今回、自然科学研究機構・生理学研究所の西村幸男准教授と京都大学大学院医学研究科大学院生(当時)の澤田真寛氏(現・滋賀県立成人病センター 脳神経外科)、理化学研究所・ライフサイエンス技術基盤研究センターの尾上浩隆グループディレクターの共同研究チームは、脊髄損傷後のサルの運動機能回復の早期において、“やる気や頑張り”をつかさどる脳の領域である「側坐核」が、運動機能をつかさどる「大脳皮質運動野」の活

    "やる気や頑張り"がリハビリテーションによる運動機能回復に 大切であることを脳科学的に証明
    frothmouth
    frothmouth 2015/10/05
    “"やる気や頑張り"がリハビリテーションによる運動機能回復に 大切であることを脳科学的に証明”
  • ヒトの脳はどうやって時間を計るのか 〜右縁上回における「時間の長さ」の脳内表現の解明〜

    内容 「時間の経過」を正確に把握することは、私達の日常生活を営む上で欠かせないものです。これまで線分の傾きや運動方向といった空間的な特徴は、特定の傾きや運動方向に選択的に応答する視覚野のニューロン群によって表現されていることが分かっていましたが、「時間の長さ」(時間長)をヒトの脳がどのように表現しているのかは明らかではありませんでした。研究では、ヒトの脳に特定の時間長の刺激に対して選択的に発火するニューロン群(時間長選択性ニューロン)が存在するのかどうかを、機能的磁気共鳴画像(fMRI)法とfMRIアダプテーションと呼ばれる実験パラダイムを用いて調べました。一連の実験の結果、同一の時間長(数百ミリ秒)の刺激が繰り返し呈示された際に、異なる時間長の刺激が呈示された場合に比べて右縁上回の賦活強度が減弱することを発見しました。また、このような右縁上回の賦活強度の減弱は、被験者が刺激の時間長に注

    ヒトの脳はどうやって時間を計るのか 〜右縁上回における「時間の長さ」の脳内表現の解明〜
    frothmouth
    frothmouth 2015/10/05
    “同じ時間長の刺激を反復して呈示した場合、刺激の時間長が異なる場合に比べてヒトの脳はどうやって時間を計るのか 〜右縁上回における「時間の長さ」の脳内表現の解明〜 右縁上回の賦活強度が低下すること(アダ
  • 持続てんかん発作活動時における脳内ERK1/2キナーゼの活性化とその基質蛋白シナプシンIの脱リン酸化

    概要 「てんかん」は人口の約1%という高い発症率を示す脳神経疾患で、その病態の解析は、病気の予防、進行の防止、治療方法の開発の上で極めて重要である。研究においては、その病態解析を目的として、持続てんかん発作モデルであるカイニン酸けいれん重積状態を示すラット脳内の分子変化を生化学的・免疫組織学的に解析した。蛋白質リン酸化酵素「ERK1/2(Extracellular signal-regulated kinase 1/2)」は、神経活動の興奮性が増大する際に、脳内でその活性が増加することが知られている。しかしながら、その活性化に伴って、情報伝達先となる基質蛋白質のリン酸化が同様に上昇しているのかどうかを調べた研究はわずかしかない。我々はこれまで様々なけんれんモデルを用いて、ERK1/2活性とシナプス前に存在するERK1/2の基質である「シナプシンI」のリン酸化との関連を調べ、生体内において

    持続てんかん発作活動時における脳内ERK1/2キナーゼの活性化とその基質蛋白シナプシンIの脱リン酸化
    frothmouth
    frothmouth 2015/09/11
    “持続てんかん発作活動時における脳内ERK1/2キナーゼの活性化とその基質蛋白シナプシンIの脱リン酸化”
  • 視神経軸索流のライブイメージで解明された緑内障と加齢変化

    国立大学法人 福井大学 (共同研究先) 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 生理学研究所 国立大学法人 熊大学 国立大学法人 名古屋大学 国立大学法人 岡山大学 カリフォルニア大学サンディエゴ校 ◆神経細胞が活動して生きていく上で、神経軸索の中に、たくさんの物質が運搬(軸索輸送)されています。今回、視神経軸索内のミトコンドリアの輸送をライブイメージで観察することに成功しました。これは、解剖を加えずに自然な状態で、哺乳動物の中枢神経組織の軸索輸送を動画で撮影できた世界で初めての研究成果です。 ◆緑内障になると視神経の軸索輸送が止まって、視神経が死ぬと言われていますが、実際に止まる映像はこれまで報告されていませんでした。研究で、視神経が死ぬ前に、視神経の軸索輸送が止まることを動画で明らかにしました。 ◆緑内障になると、ミトコンドリアの輸送が止まるだけでなく、ミトコンドリアが減ったり小さ

    視神経軸索流のライブイメージで解明された緑内障と加齢変化
    frothmouth
    frothmouth 2015/08/06
    “視神経軸索流のライブイメージで解明された緑内障と加齢変化”
  • Kv4.2 - DPP10 チャネル複合体の量体数比の一分子イメージングによる解析

    内容 4個のサブユニットからなるKv4.2 チャネルは、副サブユニットKChIPおよびDPPと分子複合体を形成することが知られているが、その量体数比(ストイキオメトリー)は、決定していなかった。我々は、蛍光タンパク質を付加したサブユニットをXenopus 卵母細胞に発現させ、全反射照明下で一分子イメージングを行い、蛍光の消退ステップ数を数えることにより、複合体中に含まれるサブユニットを数える実験を行ってきた。これまでに、Kv4.2とKChIP4の複合体を対象として、解析を行い、両者の相対的な発現レベルの変化に応じて、量対数比が、4:1から4:4まで確率的に変化することを観察した。すなわち、4量体のKv4.2 の4カ所の結合部位にKChIP4が独立に結合することが明らかになった (Kitazawa et al. J Biol Chem (2014)) 。 研究では、一分子イメージングによる

    Kv4.2 - DPP10 チャネル複合体の量体数比の一分子イメージングによる解析
    frothmouth
    frothmouth 2015/07/28
    “Kv4.2 - DPP10 チャネル複合体の量体数比の一分子イメージングによる解析”
  • 1