東大病院で放射線治療を担当するチームによる内部被ばく問題と、3月16日16時過ぎに行われた枝野官房長官に端を発する「福島県産牛乳問題」の医学的見地からの解説。
東大病院で放射線治療を担当するチームによる内部被ばく問題と、3月16日16時過ぎに行われた枝野官房長官に端を発する「福島県産牛乳問題」の医学的見地からの解説。
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アルツハイマー病の進行は「アミロイドベータ」というタンパク質が脳内に蓄積するのと関わりがあると考えられているが、睡眠不足によりこのタンパク質の蓄積が進行することが分かった(読売新聞、ブルームバーグ、本家記事)。 ワシントン大学の研究チームが行ったマウスを使った実験では、脳内のアミロイドベータは起きているときに高い値を示し、睡眠時には減少することが分かったとのこと。さらにマウスを1日20時間起き続けさせる「睡眠不足」状態にすると、アミロイドベータの蓄積が進むことが明らかになったそうだ。また、不眠症治療薬を投与すると脳内のアミロイドベータの減少が認められたとのことで、睡眠不足はアルツハイマー病の一因であることが示唆されたという。 人間においては、青年期や中年期の睡眠不足とアルツハイマー病発症の関係性や、慢性的な睡眠障害のある人がアルツハイマー病を発症する確率などを今後研究していく必要があるとの
風邪はウイルス性の病気であり、風邪を引き起こす代表的なウイルスとしては「ライノウイルス」が知られているが、このライノウイルスは直接鼻水やくしゃみ、咳と言った風邪の諸症状を引き起こしているわけではなく、ウイルスによって人間の体内の遺伝子の活性が変化することで症状が引き起こされるという研究結果がAmerican Journal of Respiratory and Critical Care Medicineに掲載されている。 通常、ウイルスによる病気の発症はウイルスに感染した細胞が人体に影響を及ぼす物質を生成したり、またウイルスの増殖のために栄養が消費されるなどすることが原因だと考えられているが、ヘルスデージャパンによると、ウイルスの感染に対抗して体内の遺伝子が変化し、抗ウイルス蛋白や炎症性化学物質を作る遺伝子が活性化されることが風邪の症状を引き起こす原因となっていることが確認できたそうだ。
イタリア・トリノ(Turin)で行われたスローフード協会主催による味覚の博覧会に出品されたイタリア産ハチミツの瓶(2006年10月26日撮影)。(c)AFP/FILIPPO MONTEFORTE 【9月27日 AFP】カナダでは昔から、のどの痛みを和らげるために紅茶やお湯にハチミツを入れて飲んでいたが、ハチミツは治りにくい耳鼻咽喉(いんこう)の感染症の治療で、抗生物質に取って代わる可能性もあることが、今週米シカゴ(Chicago)で行われた米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会(AAOHNS)の年次会議で発表された研究結果で明らかとなった。 研究を行ったのはカナダ・オタワ大学(Ottawa University)のチームで、実験の結果、一般的なハチミツが副鼻腔感染症を引き起こす細菌を殺し、さらに大半の場合において抗生物質よりも効果があることが判明した。 チームのジョセフ・マーソン(Joseph M
カルフォルニアのHoward Hughes Medical Instituteの研究者、Ronald Evans氏らによって、摂取するだけでエクササイズの効果を飛躍的に向上させる化合物「GW1516」と、運動することなしに運動したのと同じ効果を体に与えることができる薬物「AICAR」が発見された(Reutersの記事、論文要約)。 論文によると、GW1516という化合物を与えたマウスとそうでないマウスを用意し、同様のトレーニングを行わせたところ、GW1516を与えられたマウスはそうでないマウスと比べて68%も長く走り続けることができたそうだ。 また、AICARという薬物を4週間与えられたマウスは、トレーニングを行っていないのにトレーニングを受けたかのようになり、 AICARを摂取していないマウスと比べて44%も長く走り続けることができたとのこと。これは「伝統的な」トレーニングを受けたのマウ
“ストレス太り”を経験したことのある人や、今まさにその真っ最中だという人は少なくないはず。ストレスにさらされると、やたらお腹が減って食べ過ぎてしまう。食べるとストレスがやわらぐ気がするので、食べないではいられない。カロリー過多になり、体にどんどん脂肪が蓄積されていく。 空腹ホルモン→ストレス緩和ホルモン しかし、テキサス大学サウスウェスタン・メディカル・センターの研究者マイケル・ルター氏らによると、ストレスにさらされているときは、空腹感を満たさない方がストレスを緩和できるらしいのだ。「冗談じゃない!食べないとストレスが増える一方だよ!」という声も聞こえてきそうだ。 しかも、ルター氏らによれば、われわれはお腹が減っているときの方が幸福感を覚えていられるという。こう言うと、「お腹がいっぱいなときの方が幸せではないか」「ひもじいと不幸せではないか」という反論があるに決まっている。しかし、朝起きて
ロイターの記事によると、良い食生活や運動を増やすなどにより生活スタイルを大幅に変えることで、体の変化だけでなく遺伝子レベルでの大きな変化が即座に引き起こされるという研究結果が発表されたようだ。 同記事によると、良性の前立腺がんを患う30人の男性に対して、 3か月の間果物や野菜、穀物、豆製品などを中心とした食生活を送る 一日30分のウォーキングなどの軽い運動を行う 一日1時間の瞑想などの「ストレスマネージメント」を行う などといった大幅な生活の変化を経験してもらったようだ。その結果、減量や血圧の低下といった健康状態の改善に加え、病気を進める遺伝子の数より病気を防ぐ遺伝子の活動が活性化するなど、前立腺の組織の遺伝子に変化が見られたとのことである。 この研究を行ったDr. Dean Ornish氏は、次のように述べている。 これは非常に興奮すべき発見だ。しばしば人々は「すべては遺伝子のせいだ」な
いわゆるAutolysinってやつですね。 細菌の細胞には、植物細胞や真菌細胞と同じように細胞壁が存在してます。ただ植物の細胞壁がセルロース、真菌の細胞壁がキチンやグルカンなどであるのに対して、細菌の場合はペプチドグリカンというのが主成分になってます。ペプチドグリカンは、その名前の通り、アミノ酸(=ペプチド)と多糖類(=グリカン)から構成されている高分子です。細菌の細胞は、その基本となる単量体(ペプチドグリカンモノマー)を細胞膜の外に分泌し、それを細菌の成長(大きくなる)や分裂に応じて、既存の細胞壁に組み込みながら、細胞壁を組み立てています。 この過程は、おおざっぱに言うと、(1)オートリシンにより、既存の細胞壁の一部を切断、(2)トランスグリカナーゼにより、ペプチドグリカンモノマーの糖鎖部分を、既存細胞壁の糖鎖に組み込み、(3)トランスペプチダーゼによりペプチド鎖同士を架橋、という手順で
睡眠不足で物事に集中できなかったり、仕事が進まない、といった経験がある方は多いと思いますが、なぜ睡眠不足だと集中できないのか、その理由を科学的に分析して明らかにした研究結果が発表されました(論文、 Reutersの記事)。 この研究を行ったのは、ペンシルバニア薬科大学のDavid Dinges氏らで、睡眠不足状態の脳の活動状態をfMRIで調べたところ、脳の複数のエリアでその活動が突然ストップすることを確認できたそうです。 睡眠不足状態では脳が睡眠状態に陥るのを止めることができず、睡眠状態と覚醒状態が短期間の間に交互に繰り返される状態になり、その結果集中力と視覚的処理能力が劇的に低下する、とのこと。 たった一晩の徹夜でも、脳はこのような状態になってしまうとのことで、もし効率的に仕事を進めたいのなら、やはり徹夜は避けたほうがよさそうです。
“健康ブーム”にあやかって、テレビや雑誌にあふれる医療・健康情報。あまりに多すぎて、はたして何を信じたら良いのだろうかと迷っている方も多いのではないか。 『治療は大成功、でも患者さんは早死にした』などの著書がある予防医学者で、医療分野における計測、統計研究の第一人者、岡田正彦新潟大学大学院医歯学総合研究科教授は、この“健康ブーム”に警鐘をならす。 「巷に氾濫している医療・健康情報に躍らされた結果、『こんなはずじゃなかったのに』と後悔している人は実はかなり多い。宣伝のうまい民間療法にはまってしまい、有効な治療の機会を失う人もいます。また、日本の医学の研究が縦割りでおこなわれていることから、たとえば、高血圧を治すための治療で心筋梗塞を誘発してしまうなど、正規の治療によって、かえって健康を損なってしまう、『医源病』ともいうべきケースが報告されています。医療でも、民間療法でも、『最新』と銘打た
「すべての物質は有毒である」 16世紀のスイス人医師・パラケルススの言葉だ。 青酸カリの致死量は、0.2g。 ボツリヌス毒素なら0.00000005g。 こうした明らかな毒物に限らず、あらゆる物質には毒性があり、多量に摂取すれば当然死に至る。 例えば一説によると、水は10リットル、砂糖は1キロが致死量だとか。 そんな話の真偽を確認すべく、身近な食品の致死量について、手当たり次第に尋ねて回ったのだが……。 まずは日本毒性病理学会。理事長の白井智之先生(名古屋市立大学医学部第一病理学教授)によると、「致死量は分かりません。通常の毒物についてはそれなりの研究成果や事例(事故など)があり、致死量が推定されていますが、身近な食品の場合、どれだけ投与すると死亡するかをはかる事例がありません」とのこと。 さらに厚生労働省からは、「こちらでは分からないので食品安全委員会に訊いて欲しい」と言われ、食品安全委
BBCは男性の後頭部の写真を使っているので勘違いしてしまいやすいですが、Wnt は別にハゲの遺伝子ではありません。Wnt はいろいろな働きをしていますが、今回の場合、敢えて言うなら毛生え遺伝子です。この元の報告はNature 447, 316-320 (17 May 2007) に報告された論文で、タイトルは Wnt-dependent de novo hair follicle regeneration in adult mouse skin after wounding です。 この報告のミソは「成体でも体毛が再生できる能力がある」ということです。これまで毛嚢(体毛を作り出す器官)は胎児の時期にのみ作られると考えられていて、生後に外傷などによって失われた毛嚢は復活しないというのが広く受け入れられている学説でした。しかし、今回の報告では創傷によって毛嚢が新たに形成されることを明確に示して
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