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ブックマーク / somethingorange.net (10)

  • 真実はここにある。『カタハネ』。 - Something Orange

    西の空に月が仄かに白くなりつつある頃、「カタハネ」と題されたその物語を終えた。 ぼくはとうに冷めてしまった珈琲を啜りながら、一人、小さく手を叩いた。拍手するに値する作品だ、そう感じた。 初めはそれほどの出来とは思わず、他愛ないファンタジィに過ぎないと考えていた。しかし、どうやらそれは誤りだったようだ。 その証拠に、物語が終わり、スタッフロールが流れた始めたその瞬間、切ないような余韻が胸を満たした。最も優れた物語が幕を閉じるときだけに感じる、曰くいいがたい想い。 そのふしぎな余韻は、夜明けが都市を明るく染めても、日没が世界を暗く閉ざしても、去ることはなかった。そして一日。ぼくはようやくその想いから醒め、この文章を綴っている。あなたに、この作品のことを伝えるために。 さて、どこから語りはじめたものだろう。物語の初めからか? 背景を成す世界の在りようからか? 否、つくり手の工夫に敬意を表して、話

    真実はここにある。『カタハネ』。 - Something Orange
    fudsuki
    fudsuki 2009/05/27
    買ったけど、途中で投げ出した俺が来ましたよ……。もう一回チャレンジしてみるかなあ。
  • 緑色の髪といえばこれでしょ。 - Something Orange

    確かにメインで緑、ってなると「よつばと!」や「うる星やつら」が思い出されますが、他あまり思いつきません。特にラムちゃんほどビビッドなキャラは緑だと珍しいかも? ――「緑の髪の子の立ち位置って、どうよ?」 『PSYCHO+』があるジャマイカ。代表作『サクラテツ対話篇』で有名な藤崎竜の初連載作品。 PSYCHO+ 1 DRIVE A GAME START ジャンプコミックス 作者: 藤崎竜出版社/メーカー: 集英社発売日: 1993/06メディア: コミック クリック: 7回この商品を含むブログ (28件) を見る PSYCHO+ 2 DRIVE B GAME OVER ジャンプコミックス 作者: 藤崎竜出版社/メーカー: 集英社発売日: 1993/12メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (15件) を見る 生まれつき髪と瞳が緑色で、周囲から奇異の目で見られることに傷ついて

    fudsuki
    fudsuki 2007/11/08
    釣られてブクマ。でもサクラテツは読んでません。スマン。
  • 「オタク」が死ぬ日。 - Something Orange

    NHKのETV特集「21世紀を夢見た日々 −日SFの50年−」を見た。 タイトルこそ「50年」だけれど、じっさいにはその前半の20年くらいが中心。 終戦とともにアメリカからSF小説が上陸、その影響を受けて『SFマガジン』が創刊され、日にSFが広がっていった「日SFの青春時代」を生き生きと描き出した番組だった。 『機動戦士ガンダム』や『攻殻機動隊』の映像は入っているのに、『宇宙戦艦ヤマト』だけ映像がないところが苦笑ものだったけれど、全体的に丁寧にまとめられていたと思う。再放送の予定がないことが惜しまれる。 それにしても、最初期の「日SF作家クラブ」はめちゃくちゃおもしろそう。 まだ見学者もほとんどいない原子力研究所に集団で押しかけ、「まずは原子を見せてくれ」と求めるなど、その行動はツッコミどころ満載。 のちには日SF界の重鎮になり数々の名作を発表していくひとたちなのですが、行動だけ

    「オタク」が死ぬ日。 - Something Orange
    fudsuki
    fudsuki 2007/10/22
    オタク文化が浸透と拡散フェーズに入ったのは事実だろうけど、ネットと触れ合ったことで、かつてのSFとは少し違った展開になってる気がする。それが延命措置なのか新しい文化の誕生なのかまだ分からないけど。
  •  書評サイトは作家の敵か? - Something Orange

    今日の枕はこの記事。 書く事に金銭のやり取りが発生する「職業書評家」が自分の立場やしがらみ、あるいは生活のために書きたくても書けない事を、匿名掲示板の名無しやAmazonのレビュアーや大きな影響力を持ったブロガーが暴いてしまう事すら時としてあり得るのでしょう。そしてそれはネットの無かった時代には考えられないような痛苦を作家達に与えているのかも知れません。 しかし、その痛みを、 「ある意味喜ぶべき事」 「仕方のない事」 「場合によっては受け入れるべき事」 「時として我慢すべき事」 「状況によっては受け流す能力が必要な事」 と考えられない作家は、自分達がかつていたネットの無い社会が風雨から守られているぬくぬくとした温室であった事にすら未だに気がついていないのだと思います。そしてネットの普及しだしたこの時代こそが、温室の扉が開け放たれた時代じゃないのかなあと私は思います。そしてその流れは止まらな

     書評サイトは作家の敵か? - Something Orange
  • Something Orange - 世界はひとつだと考えてみる。

    昨日書いた「オタクたちの「卒業」しない生き方」という記事へ賛同/共感する意見が予想以上に多く、非常に嬉しいです。やっぱりぼくだけじゃなかったんだな。うん、うん。 正確にいえば、ぼくのような「忘れないひと」が「オタク」とイコールで、「卒業するひと」が「一般人」とイコールだというわけではありません。「オタク」にも、「一般人」にもいろいろなひとがいるでしょう。 そしてもちろん、「忘れない」ことが特別偉いといいたいわけでもない。「卒業」することも、しないことも、そのひとの自由。ただ、こういう生き方だってあっていいんじゃないか、そう思うだけのことです。 ただ過去の自分を捨てようとしないだけのことで、まるで何も成長していないかのように非難されることは多いけれど、それは違うよ、といいたい。 もう少しわかりやすく説明するために、仮にすべての趣味文化が以下のように分かれていると考えてみましょう。 レベル1

    Something Orange - 世界はひとつだと考えてみる。
    fudsuki
    fudsuki 2007/10/03
    "「成長」とは、生まれたとき自分がいる場所から遠くに行けるようになること"/ちょっと感動した
  • Something Orange - 百合漫画の歴史と『かわいいあなた』。

    朝日新聞のサイトに、乙ひより『かわいいあなた』の書評が掲載されている。 かわいいあなた (IDコミックス 百合姫コミックス) 作者: 乙ひより出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2007/07/18メディア: コミック購入: 11人 クリック: 61回この商品を含むブログ (74件) を見る 以前、いずれ書評すると書いてそのまま放置するかたちになっていたので(よくある話)、この機会にあらためて紹介しておこう。 書『かわいいあなた』は、作家乙ひよりの初短編集である。 6編の収録作は、いずれも女性同士の恋愛を描いたいわゆる「百合漫画」。非常に自然で水準が高い作品がそろっている。 だからこそ、このように新聞社の漫画コラムで取り上げられることになったわけだ。 乙ひより作品の特色は、その何ともいえない落ち着いた雰囲気にある。派手な事件がおきるわけではない。大声でわめく人物も出てこない。ただ、どこま

    Something Orange - 百合漫画の歴史と『かわいいあなた』。
    fudsuki
    fudsuki 2007/09/20
    ここまできちんと百合の歴史を書いたのをあまり見たことが無い。良かった。
  •  『らき☆すた』ファンは思考停止しているのか? - Something Orange

    こなたさんが大変なことになっています。字幕付きのものもあるけれど、個人的には字幕は余計かな、という気がしますね。 それはともかく、id:Shsgsさんの『らき☆すた』批判がおもしろい。 複数の日付にわたって話が展開してるので、少々論旨を追いかけにくいところはあるのだが、とにかく『らき☆すた』を批判的に捉えていることは間違いない。 「論外の作品」、「程度の低い作品」、「評価しがたい作品」、「小学生あたりが日々の生活の中で述べる与太話の水準」などなど、「そこまでいうか」と思うような表現を並べて徹底的に批判している。 その意図は、7月4日の記事の、 少々感情的な物言いになるが、らき☆すたを掛け値なしに面白いといえる人は思考停止しているのではないか。 という表現に端的にあらわれている。『らき☆すた』ファンの皆さんは、どうか胸に手をあてて、自分が思考停止しているかどうか考えてみてもらいたい。 そして

     『らき☆すた』ファンは思考停止しているのか? - Something Orange
    fudsuki
    fudsuki 2007/08/07
    「そこのこな×かが萌え萌えとかいっているあなた!」俺のことかー!
  •  百合ジャンルと男がきらいな男たち。 - Something Orange

    コミック百合姫 2007年 09月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2007/07/18メディア: 雑誌 クリック: 18回この商品を含むブログ (16件) を見る あいかわらず『ストロベリーシェイク』がおもしろい。 この漫画百合がどうこうという以前に、ラブコメディ、いや、ギャグ漫画としておもしろいので、わりと広い層にオススメしておきます。 主人公の樹里亜は一応美少女アイドルなんですが、あまりの阿保さに美少女であることを忘れる(笑)。たまにその設定が出てくると、「そうか、こいつ一応美少女だったっけ」とあらためて思い出す始末。 まあ、でも、基的にはいいひとなので、らんらんとお幸せに、なったら連載が終わるから、このままいつまでも付かず離れずのラブコメ関係を維持してもらいたいものです。 このふたりが正式にくっつくといろいろと倫理的にやばいことになる気もするしな。狼のまえに子羊

     百合ジャンルと男がきらいな男たち。 - Something Orange
  • Something Orange - 『SLAM DUNK』は「やおい関係」、『マリみて』は「仲良し関係」

    一昨日の記事に関して、このようなコメントをいただいた。 男性が描く女性同士の関係では、すぐにいがみあいが発生する、というようなことをよしながさんが言っていて、これにも強く納得しました。そういう世間一般の視線があるのは、事実だと思います。 一理ある。ただ、必ずしも男性作家だけに限らない話だとは思う。女性作家の描く女性同士の関係でも、すぐ「いがみあい」になるものは少なくない。 さて、それでは「やおい関係」(参照)と「いがみあい」の違いはどこにあるのだろうか。それはその関係が自分を高めるかどうか、という一点にある気がする。 よしながふみは女性同士の「やおい関係」の一例として『ガラスの仮面』を挙げているらしい。これはわかりやすい。 ガラスの仮面 (第1巻) (白泉社文庫) 作者: 美内すずえ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 1994/03/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 26回この

    Something Orange - 『SLAM DUNK』は「やおい関係」、『マリみて』は「仲良し関係」
  • Something Orange - 「性愛」格差論―萌えとモテの間で

    「性愛」格差論―萌えとモテの間で (中公新書ラクレ) 作者: 斎藤環,酒井順子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2006/05/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 44回この商品を含むブログ (117件) を見る 土にいる人たちは、離れ小島の住人たちを見て、「あの人たちは離島暮らしで、可哀想だ」と哀れんだりするものです。しかし土と島の関係性というのは、上と下ではないということが、島に住んでいるとよくわかる。もちろん住環境はだいぶ異なるものの、土に住むと幸せで、離島は不幸というわけでもありません。 酒井〈負け犬の遠吠え〉順子と、斎藤〈社会的ひきこもり〉環の対談集。おもしろかった。 内容は多岐にわたっており、とてもかんたんに説明できるものではないので、自分自身に関係するところに軽く話をしよう。 こののなかで、斎藤環は、男性オタクは「所有」のエロスをもとめて美少女ゲーム

    Something Orange - 「性愛」格差論―萌えとモテの間で
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