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真実はここにある。『カタハネ』。 - Something Orange
西の空に月が仄かに白くなりつつある頃、「カタハネ」と題されたその物語を終えた。 ぼくはとうに冷めて... 西の空に月が仄かに白くなりつつある頃、「カタハネ」と題されたその物語を終えた。 ぼくはとうに冷めてしまった珈琲を啜りながら、一人、小さく手を叩いた。拍手するに値する作品だ、そう感じた。 初めはそれほどの出来とは思わず、他愛ないファンタジィに過ぎないと考えていた。しかし、どうやらそれは誤りだったようだ。 その証拠に、物語が終わり、スタッフロールが流れた始めたその瞬間、切ないような余韻が胸を満たした。最も優れた物語が幕を閉じるときだけに感じる、曰くいいがたい想い。 そのふしぎな余韻は、夜明けが都市を明るく染めても、日没が世界を暗く閉ざしても、去ることはなかった。そして一日。ぼくはようやくその想いから醒め、この文章を綴っている。あなたに、この作品のことを伝えるために。 さて、どこから語りはじめたものだろう。物語の初めからか? 背景を成す世界の在りようからか? 否、つくり手の工夫に敬意を表して、話
2010/01/18 リンク