ブックマーク / shorebird.hatenablog.com (12)

  •  「疫病と世界史」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1) 作者: ウィリアム・H.マクニール,William H. McNeill,佐々木昭夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/12/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 66回この商品を含むブログ (33件) を見る疫病と世界史 下 (中公文庫 マ 10-2) 作者: ウィリアム・H.マクニール,William H. McNeill,佐々木昭夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/12/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 15回この商品を含むブログ (25件) を見る 書は歴史家ウィリアム・マクニールによる疫病がいかに世界史に影響を与えたのかについてのだ.原書は1976年に初版が刊行されて,1985年に邦訳,その後の原書1998年版の序言が追加されて文庫版になっている.原題は「Plagues and

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    fugufugu 2015/04/20
  •  「暴力の人類史」上下 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    暴力の人類史 上 作者: スティーブン・ピンカー,幾島幸子,塩原通緒出版社/メーカー: 青土社発売日: 2015/01/28メディア: 単行この商品を含むブログ (36件) を見る暴力の人類史 下 作者: スティーブン・ピンカー,幾島幸子,塩原通緒出版社/メーカー: 青土社発売日: 2015/01/28メディア: 単行この商品を含むブログ (27件) を見る 1月下旬についにSteven Pinkerの大著「The Better Angels of Our Nature: Why Violence Has Declined」が「暴力の人類史」上下巻として青土社から出版された.「より善き天使」といっても日人読者にはぴんとこないだろうから,邦題としては妥当なところだろう.書店で現物を確認したが当然ながら分厚いで重厚かつ上品な装丁の書物に仕上がっている.800ページを越える原書をなんとか

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    fugufugu 2015/01/28
  •  「野蛮な進化心理学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    野蛮な進化心理学―殺人とセックスが解き明かす人間行動の謎 作者: ダグラス・ケンリック,山形浩生,森正史出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2014/07/18メディア: 単行この商品を含むブログ (12件) を見る 書は進化心理学者ダグラス・ケンリックによる進化心理学にかかる一般向けの科学啓蒙書だ.原題は「Sex, Murder, and the Meaning of Life」.ケンリックは,「パートナー探し,配偶(つまりセックスに関する)動機を印象づけることでアンケート調査の内容に変化があらわれるか」「どのようなヒトがどのような殺人ファンタジーを持つ傾向があるか」等を調査することによりヒトの心理,行動傾向が明らかになることを指して,「どん底」からの見方と呼んでいて,それが邦題の元になっている.書の内容はそれだけではなく,どん底からの見方で何がわかるかをまず提示し,それを統合し

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    fugufugu 2014/09/09
  •  日本学術会議公開シンポジウム 「進化は生物学を統合する」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    8月9日に日学術会議主催の公開シンポジウムが乃木坂の日学術会議部で開かれたので参加してきた.第22期日学術会議の分野別委員会のひとつ「統合生物学委員会」のさらに分科会「進化・系統学分科会」が中心になって企画したものだ.テーマはドブジャンスキーの有名な警句をリスペクトして「進化は生物学を統合する」となっている.7人のプレゼンターが,このテーマに沿って自由に講演内容を決めているようで,自分のリサーチテーマに沿ったものや,一般向けにふさわしいトピックの解説など様々だ.オーガナイザー斎藤成也からは講演順序は進化の歴史順に決めたと説明がある. イントロンの起源 - タンパク質とゲノム情報から 郷通子 イントロンは1977年にその存在が発見されたが,何故あるのか,起源は何かなどの解明は非常にゆっくりとしか進んでいない.ここで郷は自分のヘモグロビンのイントロンにかかる研究からわかってきたことを紹

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    fugufugu 2014/08/13
  •  「The First Word」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    The First Word: The Search for the Origins of Language 作者: Christine Kenneally出版社/メーカー: Penguin Books発売日: 2008/05/27メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る 書はサイエンスライター,クリスティーネ・ケニーリーによる言語能力及び言語の進化,さらに言語進化を研究することの是非,およびその論争史を扱った一版向けの読み物だ.論争は,言語能力が進化産物なのかどうかという問題.そしてそれにかかる動物とヒトとの間のギャップはどれほどかという問題に関わる. 私もこれまでヒトの認知能力や言語能力の進化に関するについてはピンカーのを含めていろいろと読んできたが,論争当事者である著者の主張が一方的に述べられているものがほとんどだった.書は論争全体を俯瞰する視点から書

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    fugufugu 2014/06/14
  •  「遺伝子の不都合な真実」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    遺伝子の不都合な真実―すべての能力は遺伝である (ちくま新書) 作者: 安藤寿康出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/07/01メディア: 新書 クリック: 19回この商品を含むブログ (34件) を見る 書は日の行動遺伝学の第一人者である安藤寿康による,「ヒトの行動傾向のすべてにかなり大きな遺伝の影響がある」という行動遺伝学のソリッドな知見(そしてリベラル知識人からは「不都合な真実」)を我々の社会はいかに受け止めるべきかに関するだ.これは前著の「遺伝マインド」でも最終章において追求されたテーマだが,書ではさらに一歩論を進めている. 最初に「はじめに」で書における著者のメッセージをまとめている. ヒトの行動傾向,能力,性格は遺伝の影響を受けている.そしてこれまでの社会学,教育学はそれを「不都合な真実」として扱ってきた.しかし真によい社会を目指すならそれに向き合わなければ

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    fugufugu 2013/11/22
  •  「国家はなぜ衰退するのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源 作者: ダロンアセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,稲葉振一郎(解説),鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/06/21メディア: 単行この商品を含むブログ (31件) を見る国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源 作者: ダロンアセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,稲葉振一郎(解説),鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/06/24メディア: 単行この商品を含むブログ (21件) を見る 書は政治経済学者のダロン・アセモグルとジェイムズ・ロビンソンによる,彼らの10年以上にわたるリサーチブログラムの成果を一般向けに書き下ろした「Why Nations Fail: The Origins of Power, Prosperity, and Poverty」(2012)の邦訳だ. 基

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    fugufugu 2013/07/14
  •  「シロアリ」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    シロアリ――女王様、その手がありましたか! (岩波科学ライブラリー 〈生きもの〉) 作者: 松浦健二出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/02/07メディア: 単行(ソフトカバー) クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る これはシロアリの研究者松浦健二による一般向けのシロアリの生態にかかる解説書だ.松浦は「社会性昆虫の進化生物学」でもシロアリの章を執筆していて,書は著者の研究物語に加え,そのシロアリ章の内容を一般向けにかみ砕いてわかりやすく解説したものになっている. 最初に著者がシロアリ研究者になったいきさつがかかれている.それによると著者のシロアリへの想いは小学校3年生の時に原っぱにあったベニヤ板をひっくり返したときにシロアリの巣を見つけたことに始まる.これに強烈な印象を受け,さらに小学校6年生の時に岩田久仁雄の「ハチの生活」を読んで,昆虫を支配する力の記述

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    fugufugu 2013/07/02
  •  「なぜ猫は鏡を見ないか?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    なぜは鏡を見ないか? 音楽と心の進化史 (NHKブックス) 作者: 伊東乾出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2013/01/26メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (13件) を見る 書名からは,動物の自己鏡映認知にかかるだと思ってしまいそうだが*1,これは音楽家である著者が音楽質を理解しようと認知科学の力を借りながら知的奮闘してきた探求物語だ.副題には「音楽と心の進化誌」とあるが,特に進化的に何かが深く考察されているわけではない*2. というわけで「自己鏡映認知」的な書名と「進化誌」という単語に釣られて購入し,読み始めた私にとっては内容的には肩すかしのはずだったのだが,しかしこれは読み出したら止まらない,大変面白いだ. まず著者の経歴が型破りだ.著者は中学2年でバルトークの「作曲技法」に入れ込み,FM放送で現代作曲家の松村禎三の「交響曲」を聴いて惹きつ

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    fugufugu 2013/06/02
  •  「言語が違えば,世界も違って見えるわけ」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    言語が違えば、世界も違って見えるわけ 作者:ガイ ドイッチャーインターシフトAmazon 書は言語学者ガイ・ドイッチャーによる「言語がヒトの思考に影響を与えているか」という問題,いわゆるサピア=ウォーフ仮説の弱いバージョンについてのである.原題は「Through the Language Glass: Why the World Looks Different in Other Languages」 この問題は,私の理解では,以下のような状況だ.最初「言語こそが思考を構成する」というサピア=ウォーフ仮説の強いバージョンが主張され,一部の哲学者や文化相対主義者たちが飛びついたのだが,数々の証拠から否定された.次に「言語は思考に影響を与えている」という弱いバージョンが主張されるようになった.そしてこれについて様々なリサーチが行われ,論争が繰り広げられ,少なくとも何らかの影響があることはほぼ

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    fugufugu 2013/04/25
  • スティーヴン・ピンカーによるMIT講演「The Sense of Style」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    http://techtv.mit.edu/videos/20848-communicating-science-and-technology-in-the-21st-century これはスティーヴン・ピンカーによるMITの核物理学専攻の学生たち向けの講演ヴィデオだ.製作はMIT Tech TV.ピンカーの次の著作はより良い文章の書き方にかかるで,仮題が「The Sense of Style」.今回講演で語られるのはこののエッセンスの一部となると紹介がある.それは大変楽しみだ. 講演の概要 《始めに》 サイエンスコミュニケーションは現代においてますます重要になっている,それは以下のような理由による. 進化,地球温暖化,ワクチン,核エネルギーなどの問題について一般の人々の理解が重要になってきている.(ここで進化が最初に来るのは,ピンカー自身進化についての専門家であることに加え,アメリカ

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    fugufugu 2012/11/18
  • 「The Better Angels of Our Nature」スティーヴン・ピンカーとロバート・カプランの対談 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    http://www.ustream.tv/recorded/25752052 このURLにある動画は,最近9月27日にカーネギーカウンシルで両者が対談したものがUstreamで実況されたものの録画だ.(なおこの録画は何故か最初5分半ぐらい延々と対談開始前の風景が流れる) カーネギーカウンシルというのは(今回私も始めて知ったが),鉄鋼王アンドリュー・カーネギー自ら1914年に設立した団体で,おもに国際平和,社会正義,倫理の問題を扱う民間団体ということになる. ロバート・カプランはピンカーと同じくユダヤ系の出身で,国際関係,紛争,防衛問題が専門のジャーナリストだ.著書もたくさんあるが,邦訳されているものとしては「バルカンの亡霊たち」「インド洋圏が世界を動かす――モンスーンが結ぶ躍進国家群はどこへ向かうのか」などがあるようだ. この対談ではピンカーの「The Better Angels of

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    fugufugu 2012/10/09
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