鎧(甲、よろい)や他の具足とセットで用いられ、あわせて「甲冑」とも呼ばれる。元来、『甲』は鎧を、『冑』は兜をそれぞれ表していたが後に混同され、甲が兜の意で用いられる事もある。なお、兜、冑ともに漢語由来の字であるが、現代中国語では頭盔の字が使われる(突盔形兜の「盔」である)。 特に中世日本の兜のように、防具としての役割以外に、着用者に威厳を持たせる役割を担うこともある。 ヘラクレス肖像画 人類が戦いをはじめたときから現代の戦闘においても、最も狙われやすく、危険な部位は頭部である。兜がいつの時代から使われ始めたのか定かではないが、ギリシア神話のヘラクレスがネメアの獅子を退治した後、その毛皮を被って防具としたと言われるように、初期の兜は動物の毛皮などをまとったものであったのだろう。その後パッドを入れた頭巾などが使用されるようになり、加工技術と鎧の変化に合わせて 形状も変化して行った。 河南省安陽