漢語(中国語)で「庖」は「台所」を意味する。一方、古代の漢語における「丁」は、担税を課することに由来し、「園丁」や「馬丁」という熟語があるように「その職場で働く成年の男性」の意味合いで用いられていた。「庖」と「丁」の合成語である「庖丁(拼音:páodīng)」は「台所で働く成年の召使男性」を指すものであった。日本語「庖丁/包丁」の語義の一つには「料理人」「料理役」「料理番」があるが。 また、『荘子』の「養生主篇」に、とある庖丁が魏の恵王の御前で見事な刀捌きを披露し、牛一頭を素早く解体して見せ、王を感銘させたという言い伝えがある[12]。この“庖丁(料理人)”の使用した調理刀を、のちに「庖丁」と呼ぶようになったという。 日本語にもこの語が移入され、当初の読みは漢音の「ハウテイ(現代仮名遣い:ホウテイ)」か呉音の「ベウチャウ(現代仮名遣い:ビョウチョウ)」とされていたが、いつしか転訛して「ハウ