ブックマーク / reki.hatenablog.com (89)

  • 社会をダマした稀代の「なりすまし詐欺師」列伝 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    世間を驚かせた稀代の詐欺師 世の中には、他人の名前を詐称したり、真偽不明な謎の肩書や権威を名乗って詐欺を働く悪党がいるものです。 たいていは数百万のカネを詐欺する小悪党なのですが、なかには組織や国、はては社会までも騙してしまう「なりすまし詐欺師」がいました。 個人的に「なりすまし詐欺師」というものに興味があって、このブログでも多く紹介しています。この記事ではこれまで紹介できていなかった詐欺師をピックアップしています。過去記事は記事の末尾にリンクを張っているので、そちらもぜひどうぞ。 1. フェルディナンド・ウォルド・デマラ・Jr.(アメリカ)1921~1981 医療将校になったペテン師 フェルディナンド・デマラは若いころから頭は良く名誉欲は非常に強かったものの、忍耐力がない男でした。 真面目に働いたり学習せずに成功したいと望むデマラは、身分を偽装して他人に成りすまし、ハッタリと騙しで名誉あ

    社会をダマした稀代の「なりすまし詐欺師」列伝 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • かつて存在した7つの「国際管理地域・自由地域」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    列強のエゴが交錯する戦争と平和の象徴 21世紀の現在はさほど多くありませんが、19世紀~20世紀前半には複数の国の管理下にある「国際管理地域」と、複数の国の影響下にありつつも独自の主権が認められる「自由地域」がいくつもありました。 これらの地域は戦略的要地にあったり、重要な貿易港だったりしていたため常に大国から狙われ、戦争発生の原因になるため国際的な合意のもとで厳重に管理されました。それでも二つの大戦で列強の取り合いになった地域もあるので、いかに重要な場所だったか分かります。 世界史に登場する代表的な国際管理地域・自由地域をピックアップします。 1. クラクフ共和国(1816~1825) ポーランド分割後、唯一残ったポーランド人政権 クラクフ共和国は1815年から46年までの31年間だけ、ポーランド分割後に存在した唯一のポーランド人の共和国です。 正式には「自由にして独立した完全に中立なク

    かつて存在した7つの「国際管理地域・自由地域」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 1947年トーキョー・怪獣パニック - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    「海から現れた怪獣は現在、東京に向かって北上中!」 1947年5月29日、日占領軍の軍用ラジオ局WVTRが突然「東京湾に20フィートの怪獣が現れ、内陸に向かっている」という臨時ニュースを伝えました。 この放送に占領軍はパニックになり、マッカーサーも慌てて状況を確認するなど大混乱となりました。 1.  「トーキョーに怪獣が現れた!」 太平洋戦争終了後、アメリカ軍の実質的な占領下にある東京で起きた事件です。 1947年5月29日、軍用ラジオ局WVTRは、夕方のダンスミュージックの放送を突然中断し緊急ニュースを流し始めました。 「東京湾に20フィート(約6メートル)の怪獣が現れ、内陸に向かっている」 「場所は横須賀の南にある小さな漁村の沖合で、何隻かの漁船が行方不明になっている」 怪獣に関する緊急放送は続きます。 「怪獣は漁村に上陸、いくつかの村が破壊された」 「怪獣は海岸に沿って東京に向かっ

    1947年トーキョー・怪獣パニック - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 世界のエクストリームな無政府主義団体 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Work by Jsymmetry 人間の完全なる自由を目指し黒旗を掲げよう 伝統的な右派と左派の政策の違いは、右派「国家統制・規制強化・中央集権」である一方、左派「自由化・規制緩和・地方分権」なのですが、国によって状況はかなり異なります。 日では右派と言われる自民党が規制緩和を進めて、左派である共産党が反対するといった逆転現象が起きています。極右と極左の政策が似通っている場合すらあります。 ただし、基的にはリベラリズムというのは人間の理性と合理性を重んじる考え方であり、その考えを究極まで追求すると「政府は必要なく、すべて個人の選択と自由によって社会を構成する」という無政府主義的な考えに行きつくことになります。 なかなか一般的には共感を呼びにくいところがあるのですが、特にヨーロッパでは一定の人気があります。 中にはジョーク政党のようなものもあるんですが、世界の無政府主義団体とその主張を

    世界のエクストリームな無政府主義団体 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • イギリス式朝食の歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Photo by Joadl サマセット・モーム「英国で良いものをうなら朝を3回とるべき」 塩気たっぷりのベーコンにソーセージ、ベイクドビーンズ、目玉焼き、焼いたマッシュルームにトマト、そしてトースト。 この組み合わせは「フル・ブレックファスト」または「フライ・アップ」と呼ばれます。 アメリカのホテルのみならず、世界各国から宿泊客を受け入れるホテルでもこの朝のラインアップはポピュラーです。イギリスの文化で世界にもっとも受け入れられているべ物は「朝」であると言えそうです。 ではフル・ブレックファストはどのようにして生まれたのでしょうか。 1. 各国のフル・ブレックファスト フル・ブレックファストはイギリス圏の文化ですが、各国で乗せる具材に若干の違いがあります。 イングリッシュ・フル Photo by Joadl もっともよく知られる「イングリッシュ・フル」は、フライパンでベ

    イギリス式朝食の歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 「敵前逃亡」の罪で処刑された兵たち - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    軍紀違反で死刑になった20世紀の人物 昔から敵前逃亡は軍事の世界では重い罪でした。 最前線で戦う兵士の後方には抜刀した指揮官が控えていて、前線から逃げてきた兵士を「逃げるな!腰抜け!」と罵りぶった切った、などという話は枚挙に暇がありません。 逃亡した兵士は重い罪に問われ、捕まると死刑となることもあったのですが、この慣習は20世紀まで普通にありました。第一次世界大戦では、例えばイタリア軍では750名が処刑されています。イギリス軍では306名が軍紀違反で処刑されました。 第二次世界大戦のアメリカやカナダでも、敵前逃亡の罪で死刑になった人がいます。 1. ジョアン・デ・アルメイダ (ポルトガル)1894~1917 Photo by Ivan Pacheka ドイツ軍に逃亡しようとして捕まり射殺される ジョアン・デ・アルメイダは北部ポルト出身の23歳の兵士で、軍に召集されて1917年3月にフランド

    「敵前逃亡」の罪で処刑された兵たち - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 日本海だけじゃない世界の「地名呼称問題」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    国際標準地名をめぐるナショナリズムの戦い 日海という呼称をめぐる問題は、日というよりは韓国北朝鮮において盛んです。 韓国北朝鮮は、日海という呼称は日帝強占期に定着した名であるとして、「東海」または「朝鮮海」の併記または単独表記を求めています。韓国では官民を挙げて「誤りを正す」粘り強い取り組みがなされていますが、「Sea of Japan」が定着しているため、国際的に広く影響が及ぶような成果は上がっていません。 日海呼称問題(東海呼称問題)は、「来あるべき」と韓国北朝鮮が考える理屈を国際的に認めさせようとする試みですが、このような運動や取り組みは、実は世界中に多く事例があります。 1. ペルシア湾呼称問題 伝統の呼称 vs アラブナショナリズム イラン南西部、サウジアラビア北東部の湾を巡る呼称問題が存在します。 歴史的にはこの湾は「ペルシア湾」と呼ばれ、国連の作業部会が200

    日本海だけじゃない世界の「地名呼称問題」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 中国ワインの歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    中華皇帝も愛したワインのお味 あまり一般には知られていませんが、中国は世界でもトップレベルのワイン生産国であります。 数字を見ると、2017年のワイン生産量は1.8億リットルで世界7位。上位はイタリア、フランス、スペインアメリカ、オーストラリア、アルゼンチンなど有名どころが並びます。中国はチリ、ドイツ、ポルトガルといった伝統的なワイン生産国よりも生産高が多いのです。 中国では1980年代から、増加する中国人のワイン需要に対応するため、中央と地方政府の指導と支援が積極的に行われています。数字は巨大ですが主に国内で消費されるため、海外輸出は少なく、あまり目立たない存在です。 歴史をさかのぼると、中国のワイン生産は歴史的にも古いものがあります。 1. 西域のお酒「葡萄酒」 中国では古くから現在の我々が言う所の「ワイン」に類する酒があることが知られていました。しかし一般に広く知られていたというこ

    中国ワインの歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 残虐すぎて言葉を失う女性シリアルキラーの犯行 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    歴史に残る衝撃的な女性殺人鬼 快楽殺人者など絶対にお知り合いになりたくないものです。 でも映画やコミックを始めとしてシリアルキラーのネタは世に溢れているし、自分が被害を受けるのは御免だけど、みんな怖いもの見たさなのか、興味は持っているものです。 シリアルキラーのネタが人気なのは古今東西変わらないし、それがこと女性となると注目度がグンと上がって歴史に名が残ってしまったりします。 1. マイラ・ヒンドリー 1942-2002(イギリス) 「全英最凶の女」と称されたムーアーズ殺人事件の犯人 マイラ・ヒンドリーと恋人のイアン・ブレイディは、1963年〜1965年にかけて10歳から17歳の少年少女ばかりを狙って殺害し、その遺体をサドルワース・ムーアの荒野に遺棄していました。 その犯行は身代金が目的などではなく、純粋な快楽のためで、被害者のうち少なくとも4名は性的暴行を受けていました。 マイラの所持品

    残虐すぎて言葉を失う女性シリアルキラーの犯行 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • パッタイの歴史 - 人工的に作られたタイの国民料理 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Photo by Terence Ong 「タイの国民料理」という使命を持った人工的国民 タイ料理の定番であるパッタイ。 歴史は古くなく、誕生したのは1940年ごろのことです。パッタイは時の権力者により、明確な政治的意図をもって作られ広められた料理です。パッタイ(Pad Thai=タイ炒め)という名前が象徴するように、その成り立ちや拡がりの過程は非常に近代的かつ人工的であります。 1. パッタイとはどんな料理か スーパーマーケットでもガパオライスやトムヤムクン、グリーンカレーといったレトルト品が並び、タイ料理は市民権を得て、いまや日人の日常の一部となっています。 パッタイもスーパーのお惣菜に並ぶほどですが、特にこだわりがないお店だと、「タイ風の味付けをした焼き麺料理」は全部パッタイと呼んでしまう傾向があるようです。ですが、タイの焼き麺料理はパッタイだけではなく、色々種類があります。

    パッタイの歴史 - 人工的に作られたタイの国民料理 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 「反捕鯨」の国際世論はどのように形成されたか - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    「可哀想」「環境破壊」だけではない、反捕鯨世論構成の歴史 捕鯨問題は日が欧米諸国と感情的に対立するテーマの一つです。 欧米側は、鯨は絶滅寸前であり捕獲は自然破壊であるし、そもそも鯨は知性のある生き物であるため捕獲するのは非人道的であると主張します。 一方で日側は、シロナガスクジラなど希少な鯨以外は増加しており、捕鯨は自然破壊にはまったくあたらないし、捕鯨文化は日の伝統であるため止めることは文化の破壊であると抵抗します。 様々な思惑が交錯する捕鯨問題はなぜこじれたのか、その歴史を整理したいと思います。 1. 資源としての鯨 昔から世界中の漁民の間で鯨漁は盛んでした。 伝統的に鯨を捕獲してべることで知られるのは日人、北米先住民、アイスランドやノルウェーなどノルディックの人々ですが、他にも捕鯨文化は広く存在します。 インドネシアのスラウェシ島東部・レンバタ島南海岸のラマレラ村には、伝統

    「反捕鯨」の国際世論はどのように形成されたか - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • マヨネーズの歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Photo by jules フランスの伝統的なソースから世界中で愛される調味料へ 料理をしなくて冷蔵庫が空っぽでも、マヨネーズは常備しているという人は多いのではないでしょうか。 肉・魚・野菜・炭水化物、何にでも合う基の調味料の一つですが、もともとはフランス生まれ。格的なフランス料理に用いられる伝統的なソースの一つでした。 マヨネーズの起源から世界への普及までまとめていきます。 1. マヨネーズの起源とは マヨネーズの起源にはいくつか説がありますが、定説というものは存在しません。 もっとも有名なものが、七年戦争中の1756年6月28日、フランスのリシュリュー公爵が現在のスペイン・メノルカ島にある港町マヨンを陥落させた時のエピソードです。 勝利の祝宴の準備をする際、公爵のシェフはソースを作ろうとしたもののクリームが手に入らず、代用としてオリーブオイルを使いました。果たしてそれが意外に旨く

    マヨネーズの歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • テディベアの歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    畏敬の対象から愛玩動物へ 熊は古代ヨーロッパでは畏敬の対象でした。戦士は熊の皮を被って戦いにいきパワーを得ようとしたし、家には骨や首などを飾って魔除けとしました。 中世以降は熊は庶民ではサーカスの動物として人気者になり、王侯貴族の間では狩猟の対象として人気となりました。ですが長い間、熊をぬいぐるみやおもちゃなどにする習慣はなく、19世紀以降のことです。 1.  セオドア・ルーズベルトの小熊撃ち 「テディベア」という名前は、アメリカ第26代大統領セオドア・ルーズベルトにちなんだニックネームであることはよく知られています。 1902年の秋、狩猟愛好者であったルーズベルトは、ミシシッピ州の森で熊狩りを行いました。しかし首尾が悪く獲物が得られませんでした。 気を利かせた側近たちは、子熊を放して大統領が撃てるように手はずを整えました。ところがルーズベルトは「そのような無防備な動物を殺すのはスポーツマ

    テディベアの歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 感染症の薬を開発し多くの命を救った医学者列伝 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    人類の脅威に立ち向かってきた偉大な医学者たち 2021年現在も新型コロナウイルスは全人類の脅威であり、世界中の医療従事者がこの強力なウイルスと日夜を問わず戦っています。心から感謝申し上げなくてはなりません。 また、世界中の製薬会社や医学者たちが、新型コロナウイルスに有効なワクチンや製薬の開発、科学療法や物質の発見を急いでいます。感染症・伝染病に対するワクチンとしてはこれまでにないスピードで開発・治験・接種が進んでいます。ゲノム解析が完了してから1年も経っておらず、驚くべきことです。 このような医療技術の発展も、これまでの先達の医学者たちの研究があってのことです。今回は歴史上の偉大な、感染症の特効薬を発明した医学者たちをピックアップしてみます。 1. エドワード・ジェンナー(イギリス)1749-1823 史上初のワクチンである天然痘ワクチンの発明 エドワード・ジェンナーはイギリスの医師。天然

    感染症の薬を開発し多くの命を救った医学者列伝 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • レソト王国の歴史-レソト建国から英領バストランドの成立- - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    アフリカ南部の小山岳国家の歴史 レソト王国という国をご存じでしょうか。 世界地図が好きな人はたぶん知っていると思います。南アフリカの中に埋没するようにある内陸国です。 なぜこのような小国が存在できているのか、その歴史を追っていきたいと思います。 1. 「アフリカの天井」「アフリカのスイス」 題に入る前に基的なレソト王国の知識のキャッチアップです。 レソト王国は南アフリカ共和国の領土内に取り囲まれた内陸国。国王を戴く立憲君主制の国です。 国民の大半はバンツー系のソト人で、人口は210万人。 面積は約3万平方キロメートルと、四国の約1.6倍程度の大きさ。国土の大半はドラケンスバーグ山脈の険しい山岳地帯で、最高峰は3,482メートル。これはアフリカ南部の最高峰です。それ故、レソトは「アフリカの天井」や「アフリカのスイス」などと呼ばれています。 産業は乏しく、主産業は繊維産業、農業、建設業です

    レソト王国の歴史-レソト建国から英領バストランドの成立- - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 電子レンジの歴史 ‐軍事用レーダーからキッチン家電へ- - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    「20世紀のキッチン革命」電子レンジの歴史 電子レンジが家にない人はそういないと思います。 料理はしない人も買ってきたお惣菜やお弁当を温めることはあるはずで、シンクやコンロよりも電子レンジを使う機会のほうが多い、という人もいるのではないかと思います。 電子レンジが発明されたのは1945年のことです。第二次世界大戦期のレーダー技術開発の副産物として生まれた電子レンジは、20世紀のキッチンに革命を起こした偉大な発明となりました。 1. 高周波電界で材を温めるアイデア 火を使わないのに、電子レンジの中に置いておくだけでべ物がホカホカにあったまるのは、とても不思議な現象に思えます。 原理を簡単に説明すると、マグネトロンという真空管の一種から発せられるマイクロ波が材中の極性を持つ水分子にエネルギーを与えて振動させて熱を発することにより、材を温めるというものです。水分を含むものであればなんでも

    電子レンジの歴史 ‐軍事用レーダーからキッチン家電へ- - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 中東の伝統料理「フムス」をめぐる歴史と戦争 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Photo by Paul Goyette 愛ゆえに人は苦しまねばならぬ、愛ゆえに人は悲しまねばならぬ フムスという料理をご存じでしょうか。 トルコ料理やシリア料理などでメゼ(前菜)として出される料理の一種で、ひよこ豆のペーストにタヒニ(ごまペースト)、にんにく、オリーブオイル、レモン汁を加えたもの。 中東圏を中心に、バルカン半島や東地中海沿岸地域でよくべられています。 中東ではあまりに愛されすぎて、民族主義と結びつき、「フムスは我々のものだ」としてアラブ人とユダヤ人の間で抗争が繰り広げられています。 1. フムスとはなにか フムスは、ホムス、フンムス、ホンムスなどと言われることがあります。 どの呼び方でも基の作り方は同じで、 ひよこ豆のペーストにタヒニ(ごまペースト)、にんにく、オリーブオイル、レモン汁を加えてペースト状にしたものです。 レシピは非常にシンプルですが、豆の煮る時間、ペ

    中東の伝統料理「フムス」をめぐる歴史と戦争 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • キーボードの歴史 - なぜQWERTY配列が定着したのか - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    なぜキーボードはQWERTY配列が一般的になったのか 我々が使うパソコンのキーボードの配列は、よほどこだわってない限りQWERTY(クワーティ)配列になっていると思います。 別に何かルールで決まっているわけではなく、単に世界中に広く普及しているだけで、色々な配列が世には存在し、こだわりを持つ人も多くいます。ですが、会社や学校で支給されるパソコンはQWERTY配列なので、いくらこだわりがあっても逃げられない感があります。 QWERTY配列が生まれたきっかけは、タイプライターの性能がよくなく、頻出するキーが近い位置にあると機械が故障するため、わざと頻出キーを遠くに配置しているという説が根強くありますが、この説は現在は疑問が呈されています。 1.  QWERTY配列=タイプライターの故障を防ぐため説 QWERTY配列は文章を打つ際の配列としては効率が悪く、一般的にタイピングの速度が遅くなると言わ

    キーボードの歴史 - なぜQWERTY配列が定着したのか - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 【リア充】世にも羨ましい独裁者の末路 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    失墜した後も人生を謳歌した独裁者たち クーデターや政変によって権力の座から追い落とされた独裁者は、捕まって処刑されるか、国外逃亡しても不遇なまま失意の中で死んでいくのが世の常です。 権力を失った独裁者ほど惨めで哀れな者はいない。 できるなら権力を握りしめたままポックリ逝きたいものです。 しかしながら、中には失墜後も人生を謳歌した、超リア充の「元独裁者」もいます。 1. グエン・カオ・キ 1930-2011(南ベトナム) アメリカでビジネスマンとして成功したベトナムの独裁者 グエン・カオ・キは、1955年にアメリカが支援して成立したベトナム共和国(南ベトナム)の空軍将校だった男で、1965年2月のクーデターで実権を握り独裁者となりました。その時の年齢はわずか35歳。 自ら航空機を操縦して北ベトナムを空爆するなど共産勢力に対しては徹底的に強硬な姿勢を見せ、また若くてオシャレで颯爽とした振る舞い

    【リア充】世にも羨ましい独裁者の末路 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
  • 豆腐の歴史 in アメリカ - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    ダイエット、ビーガンフードの代表格・トーフ 豆腐はもはや世界的に一般的な材となりました。 特にアメリカでは1970年代からローカロリーながらプロテインが摂れる栄養として注目されて以来、年々普及が進み、スーパーマーケットで普通に売られるくらい品となりました。特に最近では、ダイエットフードやビーガンフードの人気の高まりで、意識が高い人の間では豆腐は常となりつつあります。 アメリカにでの豆腐の製造が始まったのは意外と古いのですが、普及には100年近くの時間がかかっています。今回はアメリカにおける豆腐の歴史を簡単にまとめます。 1. 初期の時代 アメリカ人の豆腐の"発見" アメリカ人で初めて豆腐について言及したのは、アメリカ独立功労者の一人ベンジャミン・フランクリンと言われています。 彼は1770年1月11日に、ロンドンからペンシルバニア州フィラデルフィアのジョン・バートラムに宛てて大豆を

    豆腐の歴史 in アメリカ - 歴ログ -世界史専門ブログ-