外食産業、頭打ち市場において勝つ条件とは (佐々木 加奈=三菱UFJ証券 エクイティリサーチ部) 外食産業にとって2005年は、やや明るさが見えた年となった。これは社会全般の景況感の回復を受けて、ファストフードやファミリーレストランなど一部の業態で客単価の回復があったこと。また、2003年、2004年と相次いで発生した鶏インフルエンザなどの食材に関する問題が一巡したことも要因の一つとなったようだ。2004年までは、ファミリーレストランやファストフードなど多岐にわたる業態で既存店売上高の前年割れが続いた。だが、2005年に入って、すかいらーくやマクドナルドなど100%を上回る企業も散見されるようになってきた。 ※日本フードサービス協会資料より作成(拡大) ただ、外食業界はもはや成長産業ではない。約29兆円まで拡大した市場規模は1996年をピークに縮小に転じ、その後も緩やかな下降線を描