単層カーボンナノチューブを酸化処理し、比表面積2240 m2/gを持つ繊維状材料を開発 キャパシタの電極に用いることで、従来の材料をしのぐ高エネルギー、高パワー密度を実現 エネルギーや物質の貯蔵体としての幅広い応用も期待 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)ナノチューブ応用研究センター【研究センター長 飯島 澄男】スーパーグロースCNTチーム 畠 賢治 研究チーム長、エネルギー技術研究部門【研究部門長 長谷川 裕夫】エネルギー貯蔵材料グループ 羽鳥 浩章 主任研究員らは、単層カーボンナノチューブ(単層CNT)を用いて、比表面積が2240 m2/gの繊維状材料を開発した。 比表面積の大きな材料は、キャパシタに代表される蓄電デバイスなどエネルギーの貯蔵や、物質の貯蔵・精製・分離に利用されている。しかし、従来の材料の多くはもろく、比表面積の大きさを保ちつ
低炭素社会実現のためのキーデバイスとして期待がかかる二次電池。自動車や電車、船舶といった乗り物だけでなく、風力発電や太陽光発電との連携、商業施設のバックアップ電源など、応用範囲は広い。そんな二次電池の急先鋒であるリチウムイオン電池の研究開発は、今まさにターニングポイントに差し掛かっている。 実は、リチウムイオン電池開発の最前線に立つ研究者のなかにも、「電池については何も分かっていない」と語る者がいるほど、詳細なメカニズムのほとんどが未解明だ。なぜ劣化が起こるのか、劣化を抑えるにはどうすればいいのか、エネルギー密度を高められる結晶構造とはどのようなもので、その構造のなかにリチウムイオンをどう埋め込めばいいのか。そしてそもそも、充放電の際に電池の中ではどのような反応が起きているのか――など、原子レベルでのさまざまなメカニズムが明らかになっていないのである。 現状は、基礎研究よりも応用研究が先行
R. Colin Johnson;EE Times、翻訳 松永恵子、編集 EE Times Japan 図1 Yushin氏が開発した電極材料の構造 C(炭素)のナノ粒子でできた枝にSi(シリコン)のナノ粒子が付着している。出典:米Georgia Institute of Technology。 米国の大学であるGeorgia Institute of Technology(Georgia Tech)のSchool of Materials Science and Engineeringのassistant professorを務めるGleb Yushin氏の研究チームが、C(炭素)とSi(シリコン)のナノ粒子を組み合わせて、リチウムイオン2次電池の負極に向けた材料を開発した。この材料を使ってリチウムイオン2次電池を試作したところ、既存のリチウムイオン2次電池に比べてエネルギ密度を5倍以
図1 リチウムイオン2次電池の電極材料のサンプル 携帯型機器の超急速充電を実現できる可能性を秘めている。出典:Donna Coveney, MIT 携帯電話機の充電がわずか数秒で完了する―。米Massachusetts Institute of Technology(MIT)の研究者らが開発したリチウムイオン2次電池の材料製造技術によって、これが現実になるかもしれない(図1)。 同大学によれば、リチウムイオン2次電池の正極材料として従来から使われているLiFePO4(リン酸鉄リチウム)の表面にナノスケールの微小な層を形成する製造方法を採ることで、充電速度を最大36倍まで高められる可能性があるという。これまでリチウムイオン2次電池の充電に1セル当たり6分以上かかっていたが、この技術を採用すればわずか10秒まで短縮できることになる。 しかも、この新技術を適用したリチウムイオン2次電
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