安倍晋三政権の目玉政策の一つが「女性活躍」だった。2014年、安倍首相は所信表明演説で「女性が輝く社会」を掲げ、翌年には女性活躍推進法が成立した。一方で、各国の男女格差を測るジェンダーギャップ指数では日本の順位は下がり続け、その家族観やジェンダー観を批判されることも多かった。女性の就業やジェンダーを巡る問題に詳しいジャーナリストの治部れんげさんに、評価を聞いた。【藤沢美由紀/統合デジタル取材センター】 「女性活躍」で保守派動かす ――ジェンダーの観点から、安倍政権をどう評価しますか。 ◆保守政権でありながら、女性と経済について大きく打ち出したことは、現実を動かす上で大きな効果があったと言えるでしょう。いちばん象徴的な出来事は、自民党内の女性議員が中心となり、配偶者と離婚・死別した一人親の所得税を軽減する「寡婦(夫)控除」の対象を未婚のひとり親世帯に拡大させた昨年末の税制改正でした。 お金に