イギリスの総選挙の結果は、“Somewhere”の逆襲だ。 EU=ヨーロッパ連合からの離脱を公約に掲げた与党・保守党の大勝についてのこの分析がいまヨーロッパで注目されています。イギリスの雑誌Prospect誌の創刊者、デイビッド・グッドハート氏です。その著書「The Road to Somewhere(ある場所への道)」はイギリスでベストセラーになりました。イギリス、そして世界はどこに向かおうとしているのか、グッドハート氏に聞きました。 (ヨーロッパ総局総局長 高尾潤) 2019年は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終結してから30年の節目の年でした。世界では、米中の貿易戦争、中ロの台頭の一方で、NATO=北大西洋条約機構での欧米の対立が浮き彫りになっています。 またアメリカ発の自国第一主義はヨーロッパにも広がり、ポピュリズムの旋風を巻き起こすなど、歴史的な転換点に立っています。