ソ連への越境を決意した岡田嘉子は、樺太で消息を絶ちました。 岡田嘉子(おかだ・よしこ)は女優でしたが、彼女が活躍したのは私が生まれる前の話です。しかしとにかく、すごい経歴の持ち主です。 写真で見る限り、岡田嘉子はかなりの美人です。しかも今でいう恋多き女優でした。 「出家とその弟子」という山田隆弥主宰の舞台協会公演で、新劇界のスターになります。映画にも進出しましたので、順風満帆な芸能活動を切ったと言えます。 山田隆弥とは仕事だけでなく、内縁関係にあったようですが、1927年に映画の相手役、竹中良一と撮影中に失踪します。結婚までしました。 しかし36年には、演出家の杉本良吉と恋に落ちたのです。 ひょっとすると、岡田嘉子にとって杉本良吉は運命の人だったのかもしれません。 けれどもまさしく、不倫です。この当時の女性でここまで奔放に生きた人は、おそらく他にはいないでしょう。しかも彼女は奔放なだけであ