人の適性を見抜きたければ、掃除の仕方を見るといい ──鈴木さんは、人の強みや、得意なことを見つけて伸ばすときはどうしていらっしゃるんですか? 鈴木:僕はジブリを作る前に、『アニメージュ』という雑誌の編集をやっていました。新しく編集部を立ち上げるとき、ほかの編集部でうまくいかなかった人を集めて作った。そのとき、貴重な体験をしたんです。マイナスをいっぱい集めるとプラスになる。反対に、プラス同士は喧嘩になる。 石井:僕も含めて、鈴木さんの下には、偏った能力があって周りになじめない人が集まります。鈴木さんは、そういう人たちの得意技を見つけ出して、伸ばす。『思い出の修理工場』の主人公・ピピが人とうまく関われない女の子だったように、みんなが鈴木さんに修理してもらって、歯車が動き出すように生き生きと仕事しはじめる姿を、何度も見てきました。 鈴木:僕は新しい人と出会うとね、まず部屋の掃除をしてもらうんです
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