【カイロ和田浩明】アサド大統領の退陣を求める民主化騒乱が国内各地に拡大したシリアで、政府軍と治安部隊が31日、戦車を投入して中部ハマの武力弾圧を開始した。AFP通信によると、住民95人が死亡した。毎日新聞の電話取材に男性住民は、小火器の発砲音が響く中、「虐殺が起きている」と語った。 国内の反体制団体「地域調整委員会」によると、東部デリゾール、南部ダルアー付近でも治安部隊の攻撃で26人が死亡、全国の死者は少なくとも計121人に達した。 ハマの男性住民のオマルさんによると、午前5時半ごろに4方向から戦車が市内に進入し発砲。一部住民は投石や棒で戦車に対抗している。別の住民は中東の衛星放送アルジャジーラに、「建物の屋上から狙撃兵が撃っている。負傷者の病院搬送も妨害している」と語った。一方、シリア国営通信は「武装ギャング」が発砲し治安部隊員2人が死亡したと報じた。 AFP通信などによると、一部の脱走