自民党の安倍晋三総裁は26日召集の特別国会で、衆参両院の首相指名選挙を経て、第96代首相に選出された。安倍氏は直ちに「危機突破内閣」を立ち上げ、最優先課題である経済再生や、民主党政権で失われた国益の回復などに着手する。閣僚・党役員人事では、実力と党内バランスに配慮したが、再登板となる安倍氏は野党対策もぬかりない。舌禍が懸念される石原伸晃前幹事長を環境相・原発事故担当相で起用する方針を固めた背景には、現代の戦国武将として、伸晃氏の父である「日本維新の会(維新)」の石原慎太郎代表を牽制する“人質”の色合いが濃いようだ。 安倍氏は26日午後の首相指名後、官邸で組閣に着手。皇居で行われる首相の任命式と閣僚の認証式を経て、同日夜、公明党と第2次安倍内閣を発足させる。 同日昼の時点で、「危機突破」を旗印とする閣僚18人の陣容はほぼ固まった。新たに、防衛相に小野寺五典元外務副大臣、農水相に林芳正元防