2008年の世界金融危機を予言したことで知られる経済学者ヌリエル・ルービニが、英経済紙に登場。“破滅博士”の異名を持つルービニが、景気低迷や気候変動といった脅威にさらされる世界の行く末を大胆に予測し、歯に衣着せぬ論調で警鐘を鳴らす。 「現在の不況は深刻なうえに長引く」 深夜便でロンドンに到着したヌリエル・ルービニは、憂うつだった。 レストラン「ノブ」の席が予約できなかったからでも、経済学上の懸念のためでもない。いま世界で起きている新旧の問題すべてが、彼を憂うつにしているのだ。 「世界はゆっくりと大災禍に向かっています。以前は存在しなかった新しく大きな脅威がいくつも生まれていますが、人類はそれにほとんど対応できていません」とルービニは言う。 2006年、住宅価格の暴落により、70%の確率でアメリカは経済不況に陥るとルービニは警告した。当初、彼は変人扱いされ、この予測は無視されていたが、200