米紙「ニューヨーク・タイムズ」で約15年続いている人気コラム「モダン・ラブ」。読者が寄稿した物語の1つひとつから、愛おしくも複雑な人間模様が垣間見える。クスッと笑えるものから切ないものまで、毎週日曜日に1本お届けする。 第一回は、作家のエイミー・クラウス・ローゼンタールが大切な夫を思って書き残した最期の手紙だ。自分がいなくなった後も素敵な誰かと出会い、愛のある日々を送ってほしい──消えつつある命の灯を抱え、彼女は筆を執る。 エイミー・クラウス・ローゼンタールは、このエッセイが本紙に掲載された10日後の2017年3月13日に亡くなった(弊紙の追悼記事はこちら)。エイミーの夫は2018年6月、エイミーが残したこの文章に応えるかたちで本コーナーに寄稿している。 しばらく前から、このエッセイを書こうとしていた。 でもモルヒネを投与されている上にジューシーなチーズバーガー不足で力が出ず(本物の食事を