一人暮らしをしている人は、パンデミック下で否応なく「孤食」の機会が増えたはずだ。そしていつも自分だけのために食事を準備して、一人だけで食べるというのは、多くの人にとってあまり心躍るプランではない。 ところが、「おひとりさま」にはたくさんの利点があるという。もしかしたらあなた次第で、一人で食事をする時間は大勢で賑やかに食卓を囲むよりも、充実したものになるかもしれない。 「私たちはそれを『孤食の危機』と呼んでいます。フランスではマナーの危機、中国では家族の危機と言われています」 ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)で人類学を研究するムクタ・ダスは、そう話す。 「世界中どの国でも、食事は皆で一緒にするほうが良く、一人の食事というのはこの常識に反する、と考えられているのです」 彼女は「かつては、皆が集まって歓談しながら食事する形式が圧倒的多数だったのが、今では一人だけでも珍しくないほど様変