家族や恋愛よりも親密な友情を中心に生活を築くことは、楽しく、また必要な反逆行為であり、諸国の政府は社会のあり方を根本的に考え直すために「友情省」を設置すべきだと、フランスのある有力な哲学者が論じている。 哲学者のジョフロワ・ド・ラガヌリは、友情推進マニフェストともいえる新刊『3──外の世界への思い』(未邦訳)のなかで、作家のディディエ・エリボンとエドゥアール・ルイとの親密な友情について詳しく記している。 この3人は夕食を共にし、一日に何度もしゃべり、毎日おやすみとおはようを言い合い、予定を互いに合わせ、会って長話しする友情の時を確実に優先しているのだ。この友情はそれぞれの生活の中心であり、「果てしなく長い話し合い」なのだとド・ラガヌリは表現する。 ド・ラガヌリはこの友情を、よき友情に投資することのラディカルな青写真のようなものとして提示し、家族構成や恋愛関係を優先すべきとする社会の「権威主