現在はイスラエルに亡命中のロシア人政治学者アッバス・ガリャモフは、かつてプーチンのスピーチライターだった。現在はプーチン大統領にきわめて批判的な見方をしている。 「かつてのプーチンは話が明快でした」 ──2001年と2008年の計2回、あなたはプーチンのスピーチライターを務められていたわけですが、具体的に言うと、それはどんな仕事でしたか。 私が大統領府で働きはじめたのは29歳のときでした。2000年代のはじめは、職場の雰囲気は、創造力にあふれ、活発で、明るかったです。パーティーもよくしていました。上司たちが目をつぶってくれていたんです。内務省などの省庁は、規律が非常に厳しかったのですけれどもね。 職階上で言うと、私の地位は全然高くなかったです。プーチンの演説を書いていても薄給でした。給料はエリツィン時代と変わっていなかったのです。給料が突然上がったのが2002年でした。職員へのボーナスがど