自然界のなかで、人間だけが“時計の時間”を頼りに生きています。勤務時間から食事や睡眠などの生理現象まで──時計をもとにスケジュールが定められます。そもそもなぜ、私たちは「自然時間」を捨て「時計時間」に生きることになったのでしょうか? その理由は……神への祈りを遂行するために生まれた時計時間でしたが、やがて列強国が自らの権威を強めるための道具として使いはじめ、世界中に広がりました。 人間が、機械での時間測定を始めたのは14世紀ごろ。当時の修道士たちがお祈りの時間を正確に測るために鉄製の時計を作ったのが起源とされています。 16世紀に入ると、英国の天文学者らは地球の自転から「標準時(GMT)」を考案しました。やがて、より正確な「協定世界時(UTC)」が採用されるようになり、1884年の「万国子午線会議」で初めて、世界が24のタイムゾーンに分割されたのです。 バブル絶頂期にあった1840年代の英
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