日々報じられるニュースの陰で暗躍している諜報機関──彼らの動きを知ることで、世界情勢を多角的に捉えることができるだろう。国際情勢とインテリジェンスに詳しい山田敏弘氏が旬のニュースを読み解く本連載。今回は、日頃水面下で活動しているモサドのスパイたちが一斉に摘発された事件について掘り下げる。 15人が一掃された 世界最恐のスパイ機関として名高いイスラエルのモサド(イスラエル諜報特務局)。活発に工作活動を行っていると見られており、メディアなどで取り上げられることが多い。 スパイ工作とは関係ないが、ソフトバンクグループ傘下の投資ファンド「ビジョン・ファンド」が、モサドのヨシ・コーヘン前局長をアドバイザーに雇用したと2021年8月に日本でも報じられている。 同組織が絡んだニュースは、最近もいくつか話題になっている。 たとえばイスラエル紙「エルサレム・ポスト」は、「モサドは1980年代、核開発の初期段