ロシアが2月24日にウクライナに侵攻して以来、西側諸国の専門家や参謀本部は、諜報機関や衛星画像の分析に加えてSNSなどの公開情報も利用して日々、この武力紛争の展開を追ってきた。このような高強度の戦争に、複数の国家がかなりのリソースを割くという事態は、欧州では第二次世界大戦以来だ。 開戦から3ヵ月以上が過ぎたいま、今回の戦争から学ぶべき教訓がいくつか見えてきた。仏紙「ル・モンド」が詳しく解説する。 1 兵力の差は言われていたほど非対称ではなかった ウクライナの兵力はロシア軍を下回る──。それが世間一般の見方であり、ウクライナ政府もその見方を喧伝してきた。 だが、軍事の専門家がロシア軍とウクライナ軍の地上でのパワーバランスを分析したところ、その見方が正確ではないと指摘する人が少なからず出てきている。フランス軍の消息筋によれば、兵士の数だけを見れば「勢力はほぼ均衡している」とのことだ。 各種の推