伝説の投資家ジム・ロジャーズが「読者の質問」に答えます 日経平均株価は5万円、6万円とまだまだ上昇する?
伝説の投資家ジム・ロジャーズが「読者の質問」に答えます 日経平均株価は5万円、6万円とまだまだ上昇する?
世界経済を根本から変えた、日本発の「量的緩和」政策 1995年9月2日、日本経済新聞は、ドイツ人エコノミスト、リヒャルト・ヴェルナーの記事を大きく取り上げた。日本は第二次世界大戦の惨禍から驚異的なスピードで立ち上がり、世界第2位の経済大国になった。しかし、1980年代に巨大な資産バブルが発生し、その崩壊後に深刻な不況に陥った。 日本が抜け出せなくなった不況の解決策として、香港の投資銀行に勤めるヴェルナーは中央銀行による信用創造を提案していた。この方法は「量的金融緩和」と呼ばれていた。 それから数十年間、彼のアイデアは形を変えて採用され、2001年の日本、2008年の米国と欧州、パンデミック中の2020年に積極的に導入された。各地の中央銀行が量的緩和政策を通じて創出した信用総額は、いまや300兆ドル(約4京5430兆円)を上回る。 量的緩和政策によって巨額の資金がもたらされたことによって、現
英「エコノミスト」誌は約200年前から、毎年1月に、その年を予測する記事を掲載してきた。しかし2020年1月のその記事は、間もなく世界を襲う致命的なパンデミックには一言も触れていなかった。また2022年の予測のいずれも、ロシアがウクライナに侵攻する可能性には言及していなかった。この由緒ある経済誌には、いずれの恐ろしい出来事も予測し得なかった。それは誰にもできないことだった。 だが、もし最大のリスクは常に予見できないものだとすれば……、もし今年、角を曲がったところで得体の知れない怪物が私たちを食べようと待ち伏せしているとしたら……、予測する意味はあるのだろうか。何かに備えることは完全に無駄なのだろうか。 「無駄ではない」とモーガン・ハウセルは言う。元ウォール・ストリート・ジャーナル紙の米国人経済アナリストで、行動投資の専門家で、成功目覚ましいベンチャーキャピタル「コラボレーティブ・ファンド」
ゴールドマンにもの申す! 人呼んで、「七人の侍」。2月下旬にゴールドマン・サックス証券のアナリストたちが発表したタイムリーなレポートが東京で話題となっている。 それはアメリカの株式市場を支配する7銘柄を示す「マグニフィセント・セブン」(映画『荒野の七人』の原題)の日本版ともいうべき、日本国内の有力銘柄を示すものだった。 ゴールドマン・サックスが一流銘柄をふるいにかけた結果、残ったのは以下である。 トヨタ自動車、スバル、三菱商事。これに加え、SCREENホールディングス、アドバンテスト、ディスコ、東京エレクトロンの4つの半導体企業である。 個人的には半信半疑の内容だ。スバル? ホントに? 本家「マグニフィセント・セブン」は、ただ有力銘柄をまとめただけの用語ではない。バンク・オブ・アメリカのアナリスト、マイケル・ハートネット発案のこの用語が人に知れ渡ったのは、これらの銘柄の成績が良いというだけ
クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 先週、暗号資産(仮想通貨)ビットコインが記録的な高騰を見せたのはなぜか? この世界最大の発行数量を誇る暗号資産のファンたちは、昔ながらの需要と供給の法則によるものだと言う。 金・石油・大豆など、どんなコモディティー(国際商品)の価格でもそうであるように、ビットコインの価格も需要の変動に敏感だ。その需要は、ビットコインの現物を直接保有する上場投資信託(ETF)の取引が1月に米国で始まった後に急増した。それ以来、投資家はこの種のETFに数十億ドルを注ぎ込んだ。こうした資金流入により、各ETFは需要に応えるためにビットコインを購入し、価格はつり上がった。
ウォーレン・バフェットが投資して以降、上昇が続いている日本の総合商社の株価。この買いが海外投資家が日本へ投資するきっかけとなったとの声もでている。しかし、英紙は今後あらたに投資するのは危険だと忠告。その理由を解説する。 見事なタイミング ウォーレン・バフェットは裁定取引の機会を察知できるようだ。 著名投資家であるバフェットが、日本の総合商社という停滞した世界で投資機会を見出した事実は、疲弊したベテラン投資家たちの失笑を買ったかもしれない。だが、彼の投資タイミングは見事だった。それでもいまは、「オマハの賢人」ことバフェットの動きに追随すべきではない。 長年、前世紀の遺物と見なされてきた三菱商事や伊藤忠商事といった総合商社の株式は、複合企業の市場評価が各事業の価値の合計を下回る、典型的な「コングロマリット・ディスカウント」で評価されてきた。 2024年、日本の株式市場が史上最高値に近づきつつあ
インドの経済は上々なはずなのに、なぜか海外からの長期投資は低下している。一体何が、足を引っ張っているのか。その背景には、複雑な事情があるようだ。 インド経済が好調だ。株価は世界でも指折りの上昇率で右肩上がりを続け、インド政府が投資した空港、橋、道路、クリーンエネルギー関連のインフラは、国のほぼ全土で見られる。2024年のインドの国内総生産(GDP)は、プラス6%が見込まれている。これは米国や中国を上回るペースだ。 だが問題はある。国内企業による投資が、インド経済の成長に追いついていないのだ。新しい機械や工場など、企業が将来の事業へ先行投資する金額も横ばいで、インド経済に占める割合も小さく、さらに減少している。インドの株式市場への資金流入は活発だが、海外からの長期投資は低下している。 インド経済は、青信号と赤信号が同時に点滅しているのが現状だ。いずれインド政府は、臨時支出を削減する必要に迫ら
日本の投資家が不動産不況のなか、好機を見出している。バブル崩壊以降めったに見られなかった勢いだ。米経済メディア「ブルームバーグ」が、その最前線を紹介する。 日本の投資家が、この20年で最多の資金を投じて、海外の不動産を買い上げている。世界的な不動産不況にも、50年ぶりの円安(国際決済銀行のデータに基づく実質実効為替レートで)にもひるまずにだ。 日本の企業や年金基金が2023年に購入した資産には、ニューヨーク・マンハッタンの超高層ビル、トロントのデータセンター、ロンドンのオフィスビルなどがある。 資金が潤沢にあり、最低水準の借入金利を利用できる唯一の先進国からの買い上げが、市場に多少の安堵感をもたらしている。オフィスの空室率も金利も上がっているせいで、ほかの買い手たちが二の足を踏んでいるからだ。 米金融大手「MSCIリアル・アセッツ」によれば、2023年の世界の商業用不動産取引に占める日本か
外国人がこぞって訪れる北海道のニセコ町。為替の円安も追い風になり投資が加速する一方で、開発の規制も始まっている。ニセコの現在の不動産価値や開発の弊害について英紙が報じた。 にぎわうニセコ 山岳ガイドのトレーシー・レナードは8年前、北海道のニセコ町に住宅を購入して以降、この町が日本有数の人気国際スキーリゾートへ変貌するさまを見つめてきた。新型コロナのパンデミックを受け、ニセコの観光業と不動産取引はほぼ停滞状態にあったが、スキー客と投資家たちは大幅な為替の円安に誘われて「リベンジ買い」に転じている。 さらに地球温暖化が、良質なパウダースノーが安定して供給されるニセコの価値をさらに押し上げてきた。レナードは、「最近の円安で、コロナ禍後の繰越需要に拍車がかかっています」と話す。米国出身の彼は2008年から毎冬ニセコに通い、その後、東京からニセコ町に移住した。 「海外客はコロナ禍後に増え、町は非常に
国内に800万戸あると言われる空き家が、外国人に人気だ。日本の伝統や文化を楽しむだけでなく、投資物件として購入し、多くの利益を得る人もいるという。海外バイヤーや不動産関係者に盛り上がる「日本の空き家市場」について聞いた、香港紙のレポートを紹介する。 フランスの首都パリ出身のコリーヌ・アギーレ(25)は、8年前に交換留学生として来日したとき、日本文化に魅了された。 奈良にある300平方メートルの物件を、わずか490万円で購入できるチャンスがめぐってきたとき、彼女はこう思った──「夢の家」を見つけた。 「空き家の購入」で夢を叶える 2021年にアギーレはこの空き家を購入した。100年前に建てられた家には庭が2つついていたが、住むには大がかりなリフォームが必要だった。アギーレはその費用として900万円を準備したが、これを含めても予算内に収まった。フランスで家を購入する際に必要な金額とは大違いだと
クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 イスラエルに対する過去50年で最大の攻撃と、イスラエル・パレスチナ合わせて1000人を超える死者が出たことに対し、9日の市場は完全に筋の通った反応を示した。原油価格は約3%上昇し、米株価指数先物はやや下落し、金は約1%上昇し、米国債先物は上昇して利回りは低下した。 利益のことになると、何百万人の災難でさえもさほど重要ではなく、株も米国債も、6日の米雇用統計発表後と比べて値動きは小さかった。残酷な現実だ。市場にとっては今回の惨事も、米労働統計局が明らかにするたった一つの統計ほど大事ではないことが判明した。 重要なのは、紛争がエスカレートする可能性だ。第一歩として最もあり得るのは、ハマスの攻撃の計画を支援したイランに対する制裁強化だ。イランは
クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 米電気自動車(EV)メーカーのテスラのことが好きな人も嫌いな人も、同社の評価が自動車製造とはあまり関係がないという点では意見が一致するかもしれない。 EVの先駆者であるテスラの価値は、株式市場で最も関心が高い問いの一つだ。1日当たりの売買高が他の米国株を上回る日が多いことからもそれが分かる。価格を巡って意見が分かれることが売買の大きな要素となっている。 データ会社バンダ・リサーチによると、年初来の取引日のうち92%で、個人投資家の資金が最も多く集まった米国株はテスラだった。一方で、別のデータ会社S3パートナーズのデータによると、テスラは空売り残高が現在約210億ドル(約3兆1400億円)と、こちらも米国株でトップだ。
クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 トヨタは電気自動車(EV)銘柄とは言い難い。一方、同社最大のサプライヤーであるデンソーは、トヨタよりうまくEV時代を乗りこなせそうだ。 トヨタは大半の同業他社と異なり、EVの投入に慎重だった。「プリウス」で開拓した従来のハイブリッド車は、今でも同社のEV戦略で重要な役割を果たしている。トヨタとその高級車ブランド「レクサス」の4-6月期の新車販売は、約3割が従来型ハイブリッド車だった。バッテリーEV車とプラグインハイブリッド車は2%にすぎなかった。 EV戦略で出遅れたトヨタは、EVが主流になりつつある中国などの市場で課題に直面する可能性がある。一方、同社がハイブリッド車に重点を置いてきたことで、デンソーはEV時代に対応できる態勢が整っている
グローバル規模のインパクト革命を主導する先駆的な社会イノベーターであり、ベンチャー・キャピタリスト、プライベート・エクイティ投資家でもあるロナルド・コーエン。現在、彼は社会・環境に優しい資本主義を再考案するという大仕事に専念している。 このいわゆる「インパクト投資」は、収益だけを見るのではなく、社会に対してプラスとなる効果を生む企業に資金を振り向けようとするものだ。マドリードを訪れていたコーエンにスペイン紙がインタビューした。 「テスラ」が良い成功例 ──(スペイン訪問の目的だった)実業家向けの講演会では、どんなお話をしたのですか? 多くの人は、私たちが直面している環境的・社会的難問を認識していると思います。富裕層と貧困層との格差が、いかに地球も社会も脅かし、民主主義と資本主義との衝突に繋がっているか、という問題です。私たちは今、民主主義と資本主義の両方に対する反発を目にしているわけです。
2023年6月におこなわれたソフトバンクグループ(SBG)の株主総会に、孫正義会長兼社長が登壇。2022年11月の決算記者会見以降に公の場から遠ざかっていた間、AI関連の「発明」に没頭していたと明かした。孫の投資家から発明家への転身はSBGにとって吉と出るのか、凶と出るのか。その影響は同グループにとどまらず、日本経済全体に及ぶと英紙は指摘する。 明け方のソフトバンクグループ(SBG)の会長兼社長室──孫正義(65)の「発明ホットライン」の担当者はくつろいでいた。 夜中に電話が鳴らなかったのは、ありがたかった。朝の引き継ぎまで、もう少しだ。だが彼は、孫の頭に「最高のアイデア」が浮かぶのは、まさにいまみたいなタイミングだと経験的に知っていた。 プルルルル! 電話が鳴る。 「自己認識型AI泡立て器ですか? 天才的なアイデアですね。さっそく特許申請にとりかかります」 プルルルル! また電話が鳴る。
クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 ジョージ・ソロスより政治的な後継者 慈善家として活動し、右翼の標的にもなる伝説の投資家ジョージ・ソロス氏(92)が、運用資産250億ドル(約3兆4800億円)の「帝国」のかじ取り役を、息子の一人であるアレクサンダー・ソロス氏(37)に譲った。アレクサンダー氏(通称アレックス)は中道左派の思想家を自称し、一族の富をきまり悪く思いながら成長し、周囲から後継者候補と目されていなかった。 アレックス氏は後継者に就いてから初のインタビューに応じた。彼は父親のリベラルな目標を拡大する──ジョージ氏いわく「考え方が似ている」──と同時に、異なる大義も支持していると語った。そこには投票や人工妊娠中絶の権利、ジェンダー平等などが含まれる。アレックス氏は一族
仮想通貨と陰謀論者 ──2021年以来、あなたはビットコインについて「実際の通貨として機能することはできない」と警告してきました。まさに予言の言葉となりましたね。 私は2021年に発表した論文で、現行のビットコインは「政府不要の通貨」というコンセプトを充分に満たすことができなかったばかりか、そもそも通貨でさえないと述べました。 というのも、ビットコインは短期的にも長期的にも価値を維持することが難しく、インフレ対策にもならないからです。もっと言えば、投資においても安全な逃げ場とはならず、政府の政策に対する盾にも、壊滅的事態を乗り切るための手段にもならないのです。 金と比較すると明らかでしょう。ビットコインが機能するためには、意志を持ってかかわろうとする人たちによる積極的な保守(メンテナンス)が必要なのです。そんなことが必要な帳簿上の貨幣に、通貨価値や物理的なレベルでの存続を期待することはでき
米株式投資家は、40年ぶりの高インフレの抑制に向けた米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げで打撃を受けた厳しい1年に終わりを告げ、新しい年を迎えることを切望している。 S&P総合500種は昨年、年初来約20%下落し、年間下落率は2008年以来の大きさとなった。ナスダック総合の下げはさらにきつく、年初来約34%落ち込んでいる。 主要銘柄ではアマゾン・ドット・コムが年初来約50%、テスラが約70%、メタ・プラットフォームズが約65%、それぞれ下落。一方、エネルギー株はこの流れに逆行して大きく上昇している。 インフレとその抑制に向けたFRBによる対応の積極度は、2023年に入っても引き続き株価パフォーマンスを左右する重要な要因となる可能性が高い。投資家は同時に、金融引き締めが経済にどのように波及するか、株式に対し他の資産の競争力が高まるかなど、金利上昇の影響にも注目するだろう。 2023年の
フランス誌「ル・ポワン」のインタビューに登場した、“知の巨人”ナシーム・ニコラス・タレブ。同誌が1972年に創刊された当時のテーマ「何ごとにも絶望しない」に対する見解を皮切りに、希望という概念、宗教、陰謀論、民主主義、ロシア、気候変動を語る。 希望だけでも、警戒心だけでもダメ ──人は「何ごとにも絶望しない姿勢を選ぶことができる」と思われますか? これは楽観主義の問題です。その人がどういう人で、どういう状況にあるのかによるでしょう。 私は飛行機に乗るとき、キャビンアテンダントは楽観主義者であって欲しいと思いますが、パイロットは絶対的な悲観主義者を希望します。金融の世界でも、トレーダーならば、期待などはすべきでなく、むしろ後備を固める、つまり逃げ道を確保しておくことが必要です。間違った楽観主義は、予防策を講じる邪魔になるのです。 「希望」というものは、宗教と結びついています。組織化された宗教
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