ブルース・ハリウッド(57)米退役空軍大佐は、日本に住む産みの母親を見つけて、感謝の気持ちを伝えることができた。それで充分だった。かつて空軍にいたという父親を探す必要性は感じなかった。 ハリウッドは、母親ノブエ・オオウチと親しい関係を築けたこと、そして彼女の献身に感謝していた。赤ん坊を米国人夫妻に養子に出したあと、ノブエは経営する食堂に「ブルース」という名前をつけ、いつか息子が戻ってきてくれると信じていた。 ノブエは正しかった。2006年、ハリウッドが46歳のとき、2人は再会を果たしたのだ。そのときノブエは父親の話もしてくれた。 2人が出会ったのは1959年のこと。すぐに恋に落ちて、結婚する計画を立てた。ところが空軍兵だった彼に帰任命令が出た。ノブエが妊娠していることは2人とも気づかなかった。 帰国したらすぐに電話をすると言ったのに、彼が電話をよこしたのは何ヵ月もたってからだった。こんな男