職場における賃上げ、労働環境の向上など、共通の目標を達成することを目指す労働組合。だが労働者として社会を支える日本女性たちの声はこれまで蔑ろにされてきた。職場だけでなく、労働組合そのもののなかにも性差別があるからだ。 ジェンダーギャップ指数120位のこの国における現状を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。 労働組合ではびこる性差別 日本の女性たちはこれまで、労働組合で居心地の悪さを味わってきた。性差別が根強いからだ。賃金格差や職場でのセクシュアルハラスメントといった問題は、しばしば見逃されてきた。多くの女性たちは声もあげられないまま、労働運動に見切りをつけてきたのだ。 だからこそ、昨年の10月、日本最大の労働組合総連合会(通称「連合」)で初の女性会長が就任した際、昂ぶる気持ちは重苦しい疑念によって鎮められた。 新会長の芳野友子は、こうした雰囲気をよく心得ていた。労働運動に関わり始め