海洋に流れ出たプラスチックごみは、海の生態系を壊しているだけではなかった。プラスチックごみの上に乗って浮遊する生物からそれを食べる微生物まで、独自の生態系を育む場所を生み出しているという。 プラスチックボトルは海洋ごみの大半を占め、概算では毎分100万本が海に流れ出ている。その最大の“罪人”がペットボトル(ポリエチレンテレフタレート)だ。 2021年6月、ある研究で2種類の細菌にプラスチックを分解する力があることが判明した。つまり、細菌がプラスチックを「食べる」のだ。実験室で分離された細菌で、「Thioclava sp. BHET1」と「Bacillus sp. BHET2」と呼ばれるものが、海でも発見されたのである。 この細菌は、膨大な量のプラスチックが漂う海洋という、独特の環境で生育しているらしい新たな生物の最新の発見例だ。 人間が作った“自然の”生態系 大気圏・磁気圏・水圏のように、