こんな取材の始まりはめったにない。「あなた方の記事が私たちにとって手厳しいことになることを期待しています」と、ロイヤルブルーのベルベットの高級ソファーに座るなり、マルコム・コリンズは真剣な眼差しで言う。妻のシモーヌも即座に同意する。「生ぬるいのは面白くないわ」 分厚い黒縁メガネ──夫は角型、妻は丸型──をかけて、流行に敏感なオタクのように見えるコリンズ夫妻は、危険な扇動者にはとても見えない。しかし、30代のこの2人は──夫は36歳、妻は35歳──出生主義運動を存続させるための聖戦のさなかにある。 そして彼らは、その尊敬される顔役となることを厭わない。数ヵ月前から、彼らは迫り来る大災害、つまりは文明の「人口崩壊」を警告している。彼らの信条は、できるだけ多くの子供を作るように人々を促すことである。 ペンシルバニア州フィラデルフィアから車で1時間ほど、コロニアル様式の石造りの家で夫妻は迎えてくれ