進化生物学者のキャロル・フーヴェンは言う。「セックス(性、性差)は実在します。これは生物学的な事実です。それは我々の身体に属するものであって、頭のなかにしか存在しないものではありません」 ハーバード大学人類進化生物学部で学部生向け科目の共同責任者を務めるフーヴェンは、自身のこうした発言が、ある種の状況においてはショッキングに受け止められる可能性があることをよく理解している。 「身体に内在する生殖細胞生産のメカニズムは、さまざまな影響を及ぼします。しかしそれが人の価値や権利を決定するわけではないですし、決定すべきでもありません。ただ、場合によっては生物学的性差は重要なのです。たとえばスポーツがそうかもしれません。刑務所もそうかもしれない。また、性的暴力について我々が収集するデータにおいても、やはり生物学的性差は重要になりえます」と彼女は言う。 フーヴェンは、人々が自分にとって最良の選択をする