日本のスパイとして1941年にスペインの地を踏んだ須磨弥吉郎(すまやきちろう)は、莫大な数の美術品を溜め込んでいた。なぜ、彼はそれほどまで美術品に執着したのだろうか。スペイン紙が、スペイン美術のコレクターでもあった須磨にスポットライトを当てた。 フランコ体制下のマドリードに潜り込んだ一人の日本人スパイが、スペインの美術コレクションの一部を長崎県美術館に残し、その目録化が数十年にもわたっておこなわれてきた。 いわゆる「須磨コレクション」 は、1941~1946年のあいだにマドリードの日本特命全権公使を務めた須磨弥吉郎が、スペインやそのほかのヨーロッパ諸国で購入した15~20世紀スペインの祭壇画、レリーフ、版画、油彩画、少なくとも1760点で構成されている。バルトロメ・エステバン・ムリーリョ、ゴヤ、さらにホアキン・ソローリャ、マリアノ・フォルトゥーニ、ホセ・グティエレス・ソラーナ、アントニオ・