2人はカップルだった ヒロミからは、ときどき闘う気概が感じられた。自分の言い分が正しいと認められるまで、やり合うことを厭わない気迫があった。だが、自分が失った人の話をするとき、彼女のまなざしは曇った。彼女の本当の苦しみはそこにある。どうか彼には辛い状況を乗り切ってほしい。それは「付き添いの女性」の祈りではなかった。ヒロミはウソをはっきりとウソだと示すために、ずいぶんと過去に遡って話を始めた。 「私たちの出会いは、映画『ダンシング・マシーン』の撮影現場でした。私はこの映画で助監督を務めていたんです。1990年のことです。私は映画の仕事をたくさんしてきました。映画監督のダニエル・ヴィーニュやベルトラン・ブリエ(彼とは映画を3本作っています)と仕事をしたこともありますし、アランとも『アラン・ドロンの刑事物語』と『アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ』という2本のテレビドラマの仕事をしました。こ
![「家の管理人」と呼ばれたアラン・ドロンの恋人「ヒロミ」の顛末 | 子供たちに疎まれて…](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ee72af303b04217232ddd26328356c9a0cf8fb37/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2024%2F04%2F09054250%2FGettyImages-1267517723-e1712576665162-1600x900.jpg)