ソニーのテレビ事業は2005年3月期から7期連続の営業赤字である。2005年3月期からの累積赤字額は4400億円にも上る。長期間にわたる赤字計上から、金融市場からは「テレビ事業から撤退すべき」との議論さえ聞かれる。 テレビ事業:続けるべきかやめるべきか、その処方箋は 筆者は、テレビ事業は継続するべきであるし、収益改善の可能性は十分にあると考えている。現在の、数量で業界3位という立場、および1兆1000億円以上の売上高を維持した上で、主要な問題点を解決できれば、少なくも好況時の黒字回復は十分に可能と考える。 同時に、テレビ事業の収益問題は、テレビ事業を取り巻く環境の悪化や同社のテレビ事業運営の問題だけではなく、同社の全社的な問題にも深く関係していると考えている。以下、筆者の見解を詳述する。 テレビ事業の存在意義 液晶テレビの前期売上高は1兆2000億円と、単一製品では最大の事業規模を誇る。旧