現場の方へと案内され、仮設の階段を地下に降りていく。少し進むと、躯体の配筋や建て込みの準備をしている場所に出た。地上から地盤を開削して造る地下構造物の現場にしては、妙にすっきりしている。 普通の地下現場に見られる赤や緑に塗られた鉄骨の切り梁がない。深さ10mはある土留め壁が自立しているのだ。その土留め壁が垂直ではなく、斜めに立っているところが、この空間をある種、新鮮なものにしている。 この現場は、東関東自動車道の谷津船橋インターチェンジ工事の一部。出口を新設する区間で、周辺交通の制約から、当初の計画よりも工期を短縮しなければならなくなった。 そこで、施工者の大林組がこの「斜め土留め工法」を発注者の東日本高速道路会社に提案。設計変更が認められた。どのような技術なのだろうか。大林組の担当者に話を聞いた。