「実弾と空砲の区別がつかない-」 肛門の手術を受けたことのある私の知人は、自分の苦悩をユニークな言葉で表現しました。 肛門の機能が落ち、排ガス(おなら)と便の区別がしにくくなり、おならが自由にできなくなったからです。 肛門は、精密機械のようによくできた臓器です。 「降りてきたのは固体か液体か気体か」を瞬時に見分け、「気体の時のみ排出する」という高度な選別ができるからです。 固体と気体が同時に降りてきた時は、「固体を直腸内に残したまま気体のみを出す」という芸当も可能です。 こうした機構を人工的に作るのは、極めて難しいでしょう。 おならと便を自由に出し分けることができないと、生活はとても不便になります。 「毎度トイレに行って便座に座らないとおならができない」 という事態に陥るためです。 そもそも、直腸に溜まった便を「無意識に」せき止めておき、好きな時に排出できる、ということ自体も優れた機能です