家庭用の金庫が「異例」の売れ行きをみせている。マイナンバー(社会保障・税番号)とマイナス金利の二つが特需を生み出しているらしい。いったい何が起きているのか。 「マイナンバーや個人資産 金庫でしっかり保管」――。埼玉県鶴ケ島市のホームセンター・カインズ鶴ケ島店には、そんな説明を掲げた金庫の特設コーナーがある。3月、ある主婦(65)は「マイナンバーが悪用されると怖かったのでこれで安心です」と約1万円の金庫を買っていった。 同店で金庫が売れ始めたのはマイナンバーが話題となり始めた昨年10月ごろから。今年2月の売り上げ個数は前年同期の約5倍になった。取り扱う約15種類のうち、売れ筋はA4サイズの契約書などが入る大きさで、重さ約30~50キロ、価格帯は1万円台だという。在庫がなく、自宅に届くまで数週間かかる商品もある。売り場担当者は「マイナンバーを自宅で厳重に保管したいという人や従業員のマイナンバー