ここ数年、暇さえあれば香港に行っている。団地を見に。 何回行ってもうっとりしちゃうんですが、今回は特にすごい物件に出会ったので、それをご紹介したい。 そして、崖と団地の関係を見ていったら、この街全体がひとつの建物なのでは、と思い至ったので、そのお話も。 「別に団地なんか興味ない」という方(そういう方がほとんどでしょうが)もこれは見に行く価値あると思いますよ。ほんとに。
2013年01月09日01:36 カテゴリおしらせ デイリーポータルZに書いたネタTweet デイリーポータルZに書いたネタのリスト。継続は力なり。(上が新しいです) ■大人が35人、大雪の中10kmさまよい歩く (13/01/18) 7年ぶりという、東京では珍しい大雪の日にちょうどあたってしまった、2013年のGPS描き初め。ちょっと迷ったんだけど、決行したら案の定すごくたいへんだった、という話。でも楽しかったよ。この地上絵はまた後日、天気の良い日に再び描こうと思います。 ■大きな駅のあまり行かない方(12/12/28) 新幹線も停まる巨大ターミナル駅を3つとりあげ、その再開発されきっている駅前風景だがどっこいほころびがあるよ!っていう記事。編集部古賀さんが「急にお客さんが来たときの納戸みたい」って言ってて、まさにそれだ!って思った。納戸に行くと楽しいです、ってことだ。 ■浮かれ電飾・3
駅は内装デザインという観点から見ると非常に変わった空間だ。 多くの人が行き交う公共空間としての快適性という意味でも、各鉄道会社間での競争原理に基づいた差別化という意味でも、もっと内装に気を使ってもよいのではないかと思うのだが、実際の駅空間のデザインを見るとそういう意識は感じられない。嫌いじゃないけど。より率直に言うと、けっこう好き。 あたたかみのないテクスチャ。堅くてそっけのない素材。そしてむきだしのパイプ。このパイプこそ内装に気を使っていないことを如実に表す代表例だ。 駅には実にさまざまなパイプがむき出している。水・電気・通信・ガスなどを運ぶパイプ。日常生活でこんなにむきだしのパイプにお目にかかれる場所はほかにない。パイプフェチにとって、思い立ったらいつでもパイプと触れ合えるカジュアルな憩いの場、それが駅だと言ってもいいだろう。よくないですか。 今回は、わたしがパイプフェチを代表して、駅
お墓に「名刺受け」というものがあるのをご存知だろうか。 墓石のそばにじっとたたずみ、お参りに来た方の名詞をお預かりするハードウェアである。 おそらく、ご家族がお参りに来ていただいた方を把握するためのものであろう、この「名刺受け」。よく見てみると墓地という空間のなかで実に思い思いの造形で活き活きと存在している。遺族と墓参者の心の架け橋「名刺受け」。今回は、名刺受け鑑賞の第一人者とともに、その造形美を味わっていこうと思う。 (text by 大山 顕) ■「名刺受け」収集鑑賞の第一人者 ぼくが言うのもなんだが、世の中には思いもよらないものを収集鑑賞してしまう人がいる。ぼくにとってそういうコレクターと会う楽しみは「それがあったか!」という自らの不明をかみ締める点にある。ガスタンクのwebサイト作ってる人とかね。 そんななかでも「名刺受け収集鑑賞」は一味違う。基本的には誰でも訪れることが出来る場所
会社勤めをしたことのある人ならば、誰でも一度は「議事録」をしたためたことがあるだろう。会議の内容を簡潔に分かりやすくまとめ、出席者およびそのほか関係者に配布することで情報共有をするために作成されるものだ。 たいてい若手にまかされることの多いこの議事録。これがどういうものか知らない人がいたとしたら、あなたは幸せな人です。 「いつもお世話になっております」「前向きに検討したい」「訴状を見ていないのでコメントできない」など組織の中で定式化された言い回しの例に漏れず、議事録にもまた独特のフォーマットがある。 ぼくは議事録作成が苦手なのだが、この「いかにも議事録風な文章構成」には常々ぐっとくるものを感じていた。仕事と関係なかったらけっこう楽しめるんじゃないだろうか。 人と人の会話があるところに、議事録の成立する余地あり。会議は会議室だけで起こるわけではない。ほんとか。 今回は街へ出て人の会話を聞き、
ホームレスの家。なんとも矛盾した言葉だが、そうとしか言えないものがある。その素材から別名「段ボールハウス」とか「ブルーシートハウス」とかよばれるものだ。 ぼくは以前からホームレスの家の造形に興味があった。街で容易に手に入る素材を使って、防寒機能とちょっぴりのプライバシー保護機能を持たせつつできあがった造形は、いわゆる建築で言う様式と縁遠いものだが、それでもある一定のパターンが見られるようになる。それが面白い。思えば本来の様式の原点とはこういうものなのだと思う。 とか、それっぽいことを言ってみたが、そういうことはどうでもよくて、例によってただただ造形のみに焦点を当ててホームレスの家を鑑賞してみようと思う(と思って取材し始めたのですが、最後その造形の違いに思わぬ秘密が隠されていたことを知るのでありました)。 (text by 大山 顕) ■ホームレスの家に宿る個性 ホームレスの家には住んでいる
マルコポーロは『東方見聞録』の中で「日本人は人食い人種だ」という趣旨のことを記しているそうだ。 もちろん、実際には日本に人間を食べる習慣はない。しかし、みなさんは気付いておられるだろうか、日本には共食いする動物たちがたくさんいることを。 トンカツ屋の看板でコックさんの帽子をかぶった豚が「おいしいヨ!」とか言っている、あれだ。 よく考えるとそら恐ろしい豚さんだが、ふだん我々は彼らのことをあまり気にしていない。 今回は街にあふれるこの「共食いキャラクター」の実態を調査し、その心の闇にせまりたいと思う。 うそ。心の闇にはせまりません。 (text by 大山 顕) ■共食いの王様:豚 今回収集した共食いキャラクターを動物ジャンルごとに分類してみていこう。まずは共食い王国トンカツ屋をおもな生息地としている、共食い豚たちだ。
みなさんは歯医者さんが好きだろうか。ぼくは好きじゃない。痛いのはとても苦手だ。 歯科医の親類や友人を持つ人以外で歯医者さんに好意的な感情を持つ人は少ないだろう。一般に歯医者さんに対する心証は良いとはいえない。 一方で「歯科医師過剰問題」という社会問題もある。需要よりはるかに多い歯科医院が、特に都市部を中心に乱立している問題である。 こういった歯科医師にとって厳しいビジネス環境の中、ネガティブなイメージを払拭すると同時に他の歯科医との差別化をはかろうと、いろいろな努力がなされている。そのひとつが歯医者キャラの導入である。たぶん。 歯医者キャラとは歯科医の看板に、名前だけでなくちょっとしたキャラクターを添えるあれだ。 日本の歯医者爛熟期におけるソリューションのひとつ、歯医者キャラ。今回はそのキャラクターを分類し、傾向を見ていこうと思う。 (text by 大山 顕)
こどものころよく遊んでいた近所の公園へ赴いた。そこで撮影したのが上の写真。 違う。こういう写真が撮りたかったんじゃない。 対象が典型的なジャングルジムとは一線を画した個性的なコジャレジャングルジム(以下:ジャレジャン)であることも納得いかない原因のひとつだが、写真の撮り方にも問題があるように感じた。 もっと、ジャングルジムを際立たせて撮りたい。この世にジャングルジムだけがあるような、そんな写真が撮りたい。そんな世界には住みたくないけど。 ジャングルジムは細い棒を組み合わせて作られているので、写真に撮ると背景の方が目立ってしまう。この点において、ジャングルジム写真には団地を撮ったり立体駐車場を撮ったりするのとは異なる難しさがある。 だったら、ジャングルジムの後ろに大きな黒い布かなんかを置いて背景を見えなくして撮影しようか、と真剣に思ったが幼い少年少女が遊ぶ公園でそんな大きな布を広げるのにはた
みなさま明けましておめでとうございます。11月カレンダーはわたくし大山が担当します。よろしくお願いいたします。 さて、その11月ですが、およそ特徴の無い月だということに気づき、素材モティーフ選定の難しさをかみ締めているところであります。こまった。 実家のトイレとかに飾られるような無難なカレンダーの絵柄を想像してください。1月だったらお正月という存在感あふれるモティーフが存在します。鏡餅でも羽子板でも絵柄に不自由はしません。2月だって節分があります。行事のエアポケットと言われる6月だって雨傘や雨蛙ひとつ置けばOKです。誰も文句は言いません。8月も祝日がないため不利なようですが、そこは1年で最も愛好者の多い、季節の王者「夏」。海岸、花火、風鈴などサマーオブジェクトには有無を言わさぬ説得力があります。 ところが、11月はどうでしょう。祝日といえば「文化の日」と「勤労感謝の日」。堅い。堅いです。お
都心回帰で高層のタワー型マンション需要が活況の都市圏住宅市場だが、まだまだ「庭付き一戸建て」へのあこがれは強い。 多少通勤に時間がかかったとしても、定年後までのローンで手に入れたとしても、庭付き一戸建てを自分のものにしたならばその人は勝ち組と言っていいだろう。 そんな人生の勲章、庭付き一戸建て。そしてそれをビビッドに彩ることで、さらなる勝ち組感の昂進を実現している例が多くあることを皆さんご存知だろうか。いわゆる「おしゃれ染めハウス」と呼ばれるものだ。呼ばれるもの、って言ってもいまぼくが名づけたんですけど。 ただ、ほんとに「勝ち組アピール」のためかどうかは知らない。もしかしたら風水かもしれない。 どうして人は自らの家をカラフルにしてしまうのか。今回は郊外に咲く可憐な花、「おしゃれ染めハウス」を収集・分類・分析することで、その深層心理に深く切り込んで行こうと思う。うそです。思いません。 なお、
ぼくの体型は貧弱でまるで男らしくない。なので服の大半、特にズボンはいつも女性ものを買っている。 女性ものを買い始めた当初はお店に入っていくのが恥ずかしかったものだが、いまではすっかり慣れた。試着だって臆せず実行だ。 そんな女性もの買い物ライフをしていると気が付くのが、女性向けの服屋における店員さんが発する「いらっしゃいませ」のイントネーションが独特だということ。「いらっしゃいませ~へ~え」という感じのなんとも奇妙な節回しなのだ。文字にしてみてもなかなか伝わりづらいが、女性の皆さんはもちろん、女性と服を買いに行ったことのある男性の多くには分かっていただけると思う。 うるさがたに言わせればこれも充分「日本語の乱れ」の一種なんだと思う。他の業種では見られない独自の進化を遂げた感のあるこの「いらっしゃいませFEMME」(「FEMME」はこじゃれた服屋が「女性向け」の意味でよく使うフランス語)。しか
ぼくが子供の頃「交通戦争」なる言葉がまだあった。高度成長期に重大な社会問題であった交通事故の状況を指して昭和30年代後半から言われるようになった言葉だ。 交通事故に対して「戦争」などとセンセーショナルな用語を当てたものだなあと思ったが、ものの本を調べると、昭和20年代後半から40年代の後半まで一貫して交通事故件数は増え続け、なかでも特に東京都では交通事故死亡者数における子供の比率が非常に高かったそうだ。非常に深刻な事態であったことがうかがえる。ちなみにぼくが生まれた昭和47年時点では、東京都における交通事故死亡者に占める5才以下の幼児の割合は実に70%を越えている。 さらに東京オリンピック前になると、都内のいたるところで建設工事が始まり、たくさんのトラックが道路を行き交うようになった。そういえば、ぼくが小学生の頃の交通事故のイメージは「ダンプ」だった。今「ダンプ」って言葉使わないよな、あん
夏まっ盛り。何かと水の恋しい季節だ。 30過ぎて急に汗をかくようになったので、一日何回もシャワーを浴びている。そんなときときどき思うのだ。蛇口をひねれば当たり前のように水が出てくるとはなんとすばらしいことか。まあ、ほんとにときどきだけど。 なんだかじじいの繰り言のようで申し訳ない。何の話だっけ。 ああ、そうだ。で、ぼくはマンションの4階に住んでいるのだが、そういう住宅環境においてはこの「当たり前のように水が出てくるすばらしさ」には2つの意味がある。ひとつはよく言われる「水が豊富にある」という意味で、もうひとつは「こんな高い位置まで水がちゃんとやってくる」という意味だ。 水道管は地中を走っているのだから、1階だろうが10階だろうが水がそこから持ち上げられて蛇口から勢いよく出てくる不思議さは変わらないのだが、それでも団地やマンションなど何階建てかの集合住宅のように目に見えて高い建築の蛇口から水
いきなり90年代のサブカルコミックみたいなタイトルで申し訳ない。 なぜこんなタイトルになってしまったのか。 それは、今回みなさんに「水タンク」の造形の魅力をご紹介しようと思っていたら、取材の過程で「自分の中に潜む秋」を発見してしまったからだ。 水タンクでメランコリック。 のっけから意味のわからない文章だが、まあ、最終的には水タンクの形って素敵、という結論になるので安心して欲しい。どんな安心だそれは。 (text by 大山 顕) さて以前「給水塔を鑑賞する」という文章を書いたが、建物に水を供給するためのしくみは給水塔だけではない。団地など大きな規模の住宅群にたいして一つの事業者による開発の場合は、給水塔というワイルド&ハニーな方策もとれるが、通常のビルディングの場合は屋上に水のタンクを置くことで水の位置エネルギーを獲得している。 この水タンク・高架水槽。給水塔にくらべ独立した構造物として見
ラブホテルに行ったことがない。 クルマの免許も持っておらずタバコも吸ったことがない。2週間後には33歳になるが、これまでの人生でぼくはいったい何をやってきたのだろうか。ラブホとクルマとタバコつったら青春の3大要素じゃないのか。知らんが。 青春時代の自分が不憫でならない。遅ればせながらラブホテル体験をしてみようと思う。 (text by 大山 顕) ■ラブホテルとぼく ぼくの住んでいる西船橋という町は風俗産業で栄えた町だ。駅前にはあまたのソープランドが軒を連ね、「西船OS劇場」という一世を風靡したストリップ劇場もあった。とうぜんラブホテルもいくつかあり、ぼくの中学校の通学路の途中にも大きなものがあった。
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