リベラルの主張に対する批判類型の1つに、「(リベラルの)ダブル・スタンダードを難ずる」というものがある。「自由や権利の尊重をとなえながら、気に入らない者の自由や権利を抑圧している」という類の批判だ。 まず前提として、こうした批判がされる場合、 事実誤認があって実際はダブル・スタンダードではない 異なる取扱いがもっともな事情がある などの理由によって、そもそもリベラルの側に落ち度がないように感じられることが多い旨は明記しておきたい。 そのうえで、仮にリベラルの側に落ち度があったとして、批判する方(の一部)になお考えてもらいたいことがある。それは、「あなたはいかなる立場をとるのか」ということである。冒頭に挙げた「自由や権利の尊重をとなえながら、気に入らない者の自由や権利を抑圧している」を例にとるならば、「あなたは自由や権利を尊重することに賛成なのか、反対なのか」ということだ。 この点に関して、