閣僚会合の開催と決裂 7月21日~29日、スイス・ジュネーブの世界貿易機関(WTO)本部において、全加盟国153カ国の参加の下、農産品及び鉱工業品他の関税率削減の方式などの合意を目的とする閣僚会合が開催されました。1週間以上にわたって閣僚レベルでの議論が行われたにもかかわらず、会合は最終的な合意に達することなく、終了しました。 このことは、日本にとってどのような意味をもつのでしょうか。 ■WTOの設立と新ラウンドの開始 (1) GATTからWTOへ 第二次世界大戦後の世界貿易は、関税及び貿易に関する一般協定(GATT)により規律されてきました。加盟国は他の全ての加盟国に同等の貿易条件を与えること(最恵国待遇)、輸入品と国産品を同等に扱うこと(内国民待遇)などを原則としているGATTは、国際貿易のルールとして世界経済の発展に貢献しました。GATT加盟国は、8度にわたる自由化交渉(ラウンド)を