千葉県内で多発している痴漢や盗撮行為。ほとんどが電車内や駅構内で発生し、県警は警戒や摘発を強化して防止に当たっている。しかし、容疑者を取り押さえても、被害女性が「急いでいる」「注意してくれればいい」などの理由で被害届を出さず、指導・警告にとどまるケースがあるという。常習犯を摘発できない事例もあり、県警では「犯人が『処罰を受けずに済む』などと味を占めてしまう懸念もある」と、被害者に協力を呼びかけている。 ■被害者を説得 「何のメリットがあるんですか!」 4月30日夜、船橋市内を走行中の電車内で、男(45)から痴漢被害に遭った女性(41)は警察官に質問した。 隣に座っていた女性の胸などを触っているのを目撃者に指摘され、男は電車内から逃走したが、改札口付近で取り押さえられた。男は強制わいせつ事件を含め、同種の犯行による摘発歴が5件あり、県警は女性に被害届を出すよう粘り強く説得したが、女性