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周知の事だが日本経済にはデフレや円高よりも大きな問題がある。労働人口の減少だ。古典的な経済モデル(ソロー・モデル)で考えれば、労働人口が減少すると一時的には労働生産性が伸びるが、老人は貯蓄を消費に転嫁するため資本蓄積も低下し、さらに全体として経済成長率は低下してしまう。 一人あたりの生産量が増えていけば良いように思うが、年金や政府債務を考えるとそうも言っていられない。問題解決の方法は大きく二つある。(1)労働者が死ぬまで働く。(2)人口を増やしてしまう。(2)が可能かを考察してみよう。 1. 女性の社会進出だけが特殊出生率を決定していない 女性の社会的地位向上による影響で、少子化が進んでいると言う主張がある。女性の社会進出で婚期が遅れ、またキャリア上の不利になるので出生数が減少していると言うような説明だ。ある程度の説得力を持つが、日本よりも女性の社会進出が進んだ国でも、日本よりは婚期が早く
5年前、米国で共働き子育て夫婦について調査をしました。米国女性はなぜ、日本女性より経済的地位が高く出生率も高いのか。政府の育児支援は貧弱なので、夫の家事育児分担が貢献しているのでは…と考え、文献を読んだりインタビューをしてきた結果、次のことが分かりました。 1)全体的に米国男性の方が日本男性より、考え方が進歩的で行動も伴っている 2)米国では男性の経済力が下がったため、相対的に女性の経済力が上がった 1)は予想通りでしたが、2)はちょっと驚きました。インタビューした多くの男性が「妻の方が収入が高いから」とか「共働きでないと家計がもたないから」と明言したのです。要するに「妻に働いてもらわなきゃいけない→夫も家事をせざるをえない」という構図です。 当時、日本では「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が流行り始めていたものの、中身は「働きたい女性のための育児支援」。つまり女性のための福利厚生とい
Rue89Japon「母親になって初めて本当の女性といえる」 「子供のいない人生は意味がない」 「子供を作らない人間はエゴイストだ」 「子供が欲しくないというのは精神的に幼稚なのだ」…と、そのような言葉を並べる必要はない。フランスの出生率は2010年度もさらに伸び、1人の女性につき2人の子供を出産しているという結果が出た。 さて、こういった出生率の高い状況に息が詰まりそうになっている二人の女性が、最近一冊の漫画を出版した。タイトルは『あなた、子供産まないの?』(フリュイド・グラシアル出版)。 著者であるイラストレーターのマデリン・マルタンとシナリオライターのヴェロニク・カゾは共に30代。絵のキレイな漫画で、世間に訴えかける。出生率が高いからといって、必ずしも全ての女性が子供を産みたいと思っているわけではないのだ…と。 「2010年は、出生率は低下すると予想されていた」 実際、フランス
インドやタイで代理出産を望む日本人の不妊夫婦が急増し、2008年以降、少なくとも30組が依頼、10人以上の赤ちゃんが誕生していることがわかった。米国より安く済み、日本人向け業者がこの1、2年に相次いで、あっせんを始めた影響が大きい。 一方で、代理母は貧しく、妊娠中は集団生活を求められる例が多く、倫理面から批判もある。インド、タイ両国政府は、代理出産をめぐるトラブルを避けようと、法整備に乗り出した。 インド、タイの医療機関やあっせん業者に取材すると、08年以降、インドで20組以上、タイで10組以上の夫婦が代理出産を依頼し、計10人以上が生まれていた。夫婦の受精卵を代理母に移植するほか、第三者からの提供卵子と夫の精子で受精卵を作り、代理母に移す例も多かった。 これまで、日本人が代理出産を依頼するのは米国が中心だった。インド、タイで日本人の依頼が増えた背景には、08年にインドで代理出産で生
2010/11/177:0 結婚市場の失敗 筒井淳也 ◇少子化に関する問題設定のギャップ◇ 最近は経済不況、外交問題に隠れがちだが、日本における20年来の課題のひとつに少子化問題があることはほとんどの人が知っているだろう。たとえ人口減が現時点では経済や社会に大きな影響を与えていないのだとしても、「人口が減りつつある」という予期は陰に陽に人びとの行動に影響している可能性もある。 他の先進国に比べて婚外出生率が極端に低い日本では、出生率の低下の多くは婚姻率の低下によって引き起こされるものである。したがって「少子化の原因は何か」という問は、「なぜ日本人は結婚しなくなったのか」を問うことでもある。 ◇フルタイムで共働きする夫婦というモデル◇ 90年代に少子化が問題とされ始めたときは、その「問題設定」は80年代のそれを引きずっていた。それは「女性の社会参加(男女機会均等)」である。社会進出する女性は
2010年09月15日12:01 カテゴリ 拙訳: フェミニストの視点から見たベーシックインカム(Some thoughts on basic income from a feminist perspective)(第十四節) Radboud大学Nijmegen政治学科上席研究員であるIngrid Robeynsの「フェミニストの視点から見たベーシックインカム(Some thoughts on basic income from a feminist perspective)」の第十四節を訳してみました。 原 文はこちら (第十三節はこちら) ********************************************* 14. 結論 (Some concluding thoughts) 私の結論は、以下の通りである。 まず第一に、私の考えでは、ベーシックインカムは(ユートピア
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