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ブックマーク / www.ringolab.com (46)

  • ストレンジ・トイズ - 情報考学 Passion For The Future

    ・ストレンジ・トイズ 「危険!ページをめくるなら、その代償を支払う覚悟をせよ!」 1960年代のアメリカ。9歳の少女ペットは三姉妹の末娘。姉のジェーンと一緒に空想の世界に遊んだり、宝物集めをするのが好き。長女のディーンは非行に走って警察の厄介になっている。両親はディーンの起こしたトラブルから逃げるように、二人の娘を連れて長期のドライブ旅行に出発する。ペットは途中、立ち寄ったディズニーランドでひとりぼっちになったとき、あるはずのないアトラクション「サミーのスノーランド」に迷い込む。 サミーのスノーランドでは、「これはたいていの人が見るもの。」と「でも、こんなふうにも見える。これも存在している」という世界を体験する。サミーはペットの一家に待ちうける恐ろしい前途とそれを防ぐための取引をもちかける。これが異界との行き来の最初の経験だった。 第一章ではペットの9歳の頃、第二章で16歳の頃、第3章では

  • 砂漠の惑星 - 情報考学 Passion For The Future

  • 白い薔薇の淵まで - 情報考学 Passion For The Future

    ・白い薔薇の淵まで 中山可穂のレズビアン恋愛小説。すごく切ない傑作。 破滅指向の純文学作家 山野辺塁と、普通のOLのわたしが屋で偶然に出会って恋に落ちる。社会のしがらみを忘れて、性愛の深みに沈んでいく二人だったが、どんなに身体を結びあっても、わたしは塁が心に闇の部分を隠しもっていることにきがつく。情緒不安定な塁と激しい喧嘩別れと復縁を繰り返しながら、やがてわたしは塁の哀しい過去を知ることになる。 女性同士の激しい嫉妬や乱暴。男女恋愛とは違ったパターンで、行方が読めずにはらはらさせられる。常に不安定で欠けているから、より一層互いを求めあう。部屋に閉じこもって互いの白い肌を貪りあう彼女たちの姿を読んでいて、尾崎豊の「I Love You」を連想しました。「きしむベッドの上で優しさを持ちよりきつく身体抱きしめ合えば~」、あの曲みたいなイメージの小説です。 ベテランの円熟に与えられる山周五郎

  • ビジネス書大バカ事典 - 情報考学 Passion For The Future

    ・ビジネス書大バカ事典 「「もどき」を読んでみると、こんながまじめな顔をして世の中に公然と流通していることに、しかもその多くがベストセラーになっていることに、まあ、びっくりする。」 いかがわしいビジネス書「もどき」作家としてやりだまにあげられるのは、勝間和代、苫米地英人、神田昌典、石井裕之、田健、田直之、斉藤一人、小林正観など、よく売れているビジネス書の著者たち。具体的に書名を挙げながら、数々のご都合主義や矛盾した記述をあげつらう。その語り口が面白い。いちゃもん芸のである。 それぞれの著者のイタい所を的確にとらえて狙い撃ちしており、いまどきのビジネス書を広く読んでいる人は笑いながら読めるである。でも、ちょっとめくじら立てすぎじゃないかなというのが素直な感想。 著者の批判としては、誇大広告、不当表示論だという主張が多いわけだが、ビジネス書って読者にとってクスリというよりやる気を燃

  • 宦官―中国四千年を操った異形の集団 - 情報考学 Passion For The Future

    ・宦官―中国四千年を操った異形の集団 中国人研究者による宦官の研究。 中国史において宦官は、しばしば皇帝を惑わし政治を混乱に陥らせる元凶として登場する。歴史家の司馬遷、航海王の鄭和、紙を発明した蔡倫など良い意味で活躍したものは稀である。性器を切除された男の奴隷である異形の存在である宦官の実態に迫る。 異民族の捕虜や重罪犯が無理やり去勢されて宦官になるケースが最も多かったらしい。その処罰は宮刑と呼ばれ、打ち首に次ぐ重罪に与えられる屈辱的な刑であった。不潔な処理によって死ぬ者多数であったが、手術を生き延びた者は、体力は女性を上回り、かつ、女と姦通する心配のない、都合のいい労働力となった。恐ろしい慣習だが、商王朝の甲骨文に既に記載が見つかっているくらい古くに起源があるそうだ。 来は奴隷であっても、男子禁制の宮廷内に皇帝と一緒に住む宦官の中には、皇帝に寵愛されて特権を与えられる者もいた。全体の一

  • Passion For The Future: 喪失と獲得―進化心理学から見た心と体

    喪失と獲得―進化心理学から見た心と体 スポンサード リンク ・喪失と獲得―進化心理学から見た心と体 何のだろうかこれは?と最初は思った。 でも、とても面白いだった。 人類はなぜいまのような性質を持っているのかについて、進化論の視点から、多様な考察を行った24編のエッセイ集である。数ページの軽いエッセイから、小論文と呼べる中篇まで形式は多様である。テーマも、言語と意識の誕生、憎悪と信仰、服従心理、病気と自然治癒能力、こどもの教育政治歴史と多岐にわたる。 だが、全体を通して一芯が通っているので、通読することで著者の進化論の総体がパノラマとして浮かび上がる構造になっている。考えさせられることが多い。 ■クオリアの私物化、感覚の進化、単一の自己 脳と意識の進化において「クオリアの私物化というプロセスがあるのではないかという。 クオリアとはこころに浮かぶ感覚のことである。この感覚には次の5