ひな鳥は卵から生まれて最初に見た「動く物」を(それが何であれ)「親」と認識するらしい。これをインプリンティング(刷り込み)と言うそうだが、音楽も似たような処がある。おそらく物心ついて最初に出会った音楽が(それが何であれ)その人の音楽の基盤となり、一生ついて回る。 私の音楽との最初の出会いは1960年代後半、そして作曲家として活動し始めたのが70年代後半。雛鳥の期間はこの1960年代後半から70年代前半の間で、この間に刷り込まれた(聴いた)音楽が私の音楽の「親」ということになる。厳密に言うと1967年から74年までの7年間なのだが、この時代、公平に見てもかなり音楽的に面白い時代だったという気がする。 1960年代は、戦後の混乱が落ち着いて色々な新興勢力が雨後の筍の如く出てきた時代。古き伝統や旧世代が戦争で淘汰され、人類史上初〜新しい世代による「やりたい放題の時代」が訪れたと言える。 クラシッ