いわゆるアウトサイダー・アートに関する言説を観察すると、その評価や理解をめぐって一筋縄ではいかない議論が展開されてきた歴史があるようだ。 そして、議論は現在進行形である。 (日本における?)ヨーロッパの歴史的な展開については、とりあえず定説的な理解はあるようだ。 ドイツのプリンツホルンやフランスのデュビュッフェあたりの活動を押さえておけば、中核部分は理解できる模様(ただ、歴史の常として、定説は常に刷新されていくだろうから、あくまで「当座の定説」としておこう)。 一方、日本における展開については、まだ検討の余地は残っていそうである。 ただ、ここにも「定説」(というよりも、論者に敬意を払ってむしろ「批判的検討」と言うべきだろう)があって、美術関係者の間でのコンセンサスはあるのかもしれない。 服部正氏が言うところの「日本のアウトサイダー・アートをめぐる特殊な事情」である。 誤解を恐れずにごく簡単