公開された日米安保条約改定と沖縄返還に関する文書ファイル=7日、東京都港区、河合博司撮影公開された沖縄返還に関する文書=7日、東京都港区 外務省が7日、1960年の日米安保条約改定に向けた交渉記録などの外交文書を公開した。当時の岸信介首相が、朝鮮半島や台湾を巡る戦争に巻き込まれるのを嫌って、条約を適用する地理的範囲の拡大に反対していたことが明らかになった。 同省は作成後30年たった文書の原則公開を今年5月に決めており、今回、初めて適用された。安保関連や72年の沖縄返還交渉に関するファイル37冊が公開された。文書によると、岸首相は58年10月に外務事務次官から条約案について説明を受けた際、「朝鮮、台湾の巻き添えになることは困る」と述べ、適用範囲の拡大に強い警戒心を示した。 同月作成の文書によると、日本外務省は条約の適用範囲が改定の「最も機微な点」と見ていた。米側は旧安保条約の「極東」か