東日本大震災後、住民に安らぎの場を提供しようと、南三陸町で被災した住民らが運営してきた「さんさカフェ」が29日、開店から2年で幕を閉じた。道路整備で立ち退きを求められたためだ。さらに、震災から2年10カ月が経過し、支援金や訪れるボランティアの数も少なくなって、利用客の減少で運営が厳しくなっていた。店員らからは「もっと利用してほしかった」と、苦渋の閉店を惜しむ声があがった。(安藤歩美) ◆200人が別れ惜しむ プレハブ製の「さんさカフェ」が建つのは、津波で壊滅的な被害を受け、人が住めない災害危険区域に指定された同町の志津川地区。店の最終日となったこの日は、200人以上の客が押し寄せて別れを惜しんだ。 開店からほぼ毎月訪れていたという仙台市青葉区の会社員、阿部恵巳さん(37)は「南三陸の復興状況も教えてもらえるし、店員とも家族のような関係だった。閉店は寂しい」と名残惜しそう。「この店のカ